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29日、横浜市の踏切で20代のベトナム国籍の男性が、電車にはねられ死亡しました。この踏切は、長さが40メートル以上あり“渡りきれない踏切”として以前、取材した際にも恐怖を感じる瞬間がありました。

現場は、8つの線路が並ぶ、全長約40メートルの巨大な踏切。わずか30秒ほどで…

記者(30日、神奈川・生麦駅付近)
「もう遮断機が閉まりました」

そのため、住民たちは…

近隣住民(30日)
「どうしても距離が長いので、ちょっと危ない。荷物持ってだと、遅くなったり、危ないシーンはある」

横浜市鶴見区にある、“渡りきれない踏切”。踏切内には、渡りきれなかった時のために、電車をよけるスペースがありますが、事故は、その近くで起きました。

記者
「こちらが電車をよけるスペースですが、男性は勘違いをして、線路内に立ち止まった可能性があるということです」

スペースを勘違いし、線路上に立っていたとみられるのは、ベトナム国籍のブオン バン ロンさん(26)。警察によると、スマホを操作しながら踏切内に進入し、線路上で立ち止まる様子が防犯カメラに映っていたといいます。電車の運転手は100メートルほど手前で気づき、ブレーキをかけたといいますが、ブオンさんは亡くなりました。

現場近くで、祈りをささげる人たちの姿も…。この踏切での死亡事故は初めてではありません。2013年、そして半年前にも、それぞれ男性が電車にはねられ、命を落としています。(※2013年8月、88歳男性/2024年4月、52歳男性)

あわやという瞬間が絶えない危険な踏切…。

近所の住民(30日)
「イヤホンしてると、携帯に集中してると(電車が)来てることに気づかなくて、あ!ってなったことは何回か(ある)」

近所の住民(30日)
「ど真ん中で止まって危なくて、踏切の反対側にいた人が、棒を開けてくれて通ったことはある」

   ◇

過去にも、私たちが取材していた際、遮断機が下りたあと、一斉に後ろを振り返る人たちの姿が…。その先にいたのは、車いすの男性と介助している男性。渡りきれなかったのか、踏切の中で止まっています。

「そこ(止まっては)ダメなんですよ」
「危ないです。そこダメなんですよ」

近くにいた人が遮断機を持ち上げ、出ようとした次の瞬間…男性が車いすから転げ落ちてしまいました。

「危ない!あっ!早く助けてやって。助けてやって」

記者
「大丈夫ですか」

この時、電車は踏切の手前で緊急停止していて、男性たちは助け出されました。

   ◇

近隣住民
「何回も助けたことある」

──危険感じる?

近隣住民
「毎日」

警備員によると…

警備員
「(1日)5件くらいは、あるんじゃないですかね」

──1日5件くらいは危ない?

警備員
「そう」

ただ、対策がなかなか進まない現状も。横浜市はこれまで町内会に踏切の廃止を提案してきたといいます。しかし、「踏切がなくなると、車両の行き来がしにくくなる」などという声もあり、話し合いは難航。そんなさなか、今回の事故が起きたということです。市は、引き続き町内会と協議し、対策を前に進めたいとしています。