連覇へ向けて好気配を示したママコチャ(手前)=撮影・北村雅宏

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 「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 昨年の覇者ママコチャが25日、栗東坂路での最終リハで好気配をアピールした。1年前のG1初制覇後、2走連続で人気を裏切ったが、前走のセントウルSで2着に入り、復活の兆しを示した。一時の不振からは抜け出し、状態は確実に上向き。連覇へ向け、視界は良好だ。

 ママコチャは栗東坂路で川田を背に最終追い切りを消化した。前に馬を置いて我慢をさせながら運び、ラストの反応も良く末脚を伸ばすと僚馬をあっさりかわしてフィニッシュ。タイムは4F53秒5−39秒2−12秒2をマーク。セントウルSをひと叩きされ、状態は確実に上向いてきており、気配が上々。連覇へ向けての態勢は整っている。

 ◆川田将雅騎手   

 −2走前の高松宮記念は8着。

 「暖かい時季の方がいいと聞いていました。まだ暖かくなりきる前でしたのでなかなか状態が上がってこないという感じでした。スプリンターズSの時とはだいぶ違うなという雰囲気ではありました」

 −追い切りの感触は。

 「この馬なりにしっかり我慢ができましたし、しまいもいい動きができたと思います。いい雰囲気で最終追い切りを終えられたと思います」

 −成長を感じる部分は。

 「昨年、勝った後からなかなかいい状態になることができず、苦しい時間を過ごしてきました。夏を越えて良さが戻ってきているというところで本来の姿に戻りつつあるんじゃないかと感じました」

 −中山コースは合う?

 「コース形態が合うというよりスプリント能力が高いと思います。前走は乗っていないですが、ある程度はこの馬らしい競馬ができていました。そういうところも含めて状態が戻ってきたんだろうと思っています。能力を出せる状態にさえ戻れば、というところです」

 ◆池江泰寿師    

 −高松宮記念を振り返って。

 「道悪は不得意なのでこたえましたし、外枠というのもあったかと。あと寒い時季はもうひとつ調子が上がってこないので悪いことがいっぱい重なってしまったなという感じでした」

 −この中間の気配は。

 「坂路主体にやってきました。叩き良化型で上積みは大きいですね。フィジカル面、メンタル面もコントロールがつきやすくなってきているかと思います」

 −追い切りの評価は。

 「馬の後ろでよく我慢していました。かなり行きたがっていましたけど、川田騎手がうまくなだめていました。(前の馬の)右側に出した時の反応も動きも滑らかで良かったです」

 −舞台は中山。

 「1400メートルですけど、(安土城Sを)レコードで走っているように重い馬場は良くない。この春は雨に泣かされましたし、できれば雨は降ってほしくないと思っています」