最初の跳馬に臨む前に涙を見せる宮田笙子(撮影・石井剣太郎)

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 「国民スポーツ大会・体操」(7日、SAGAサンライズパークSAGAアリーナ)

 7月に未成年飲酒・喫煙騒動でパリ五輪代表を辞退した宮田笙子(19)=順大=が、騒動後初の実戦に臨み、段違い平行棒以外の3種目で演技し、福井県の優勝に貢献した。

 大会後は「この度は私がとった行動で多くの皆様にご迷惑をかけてしまい深く反省しております。申し訳ありませんでした。この件に真摯に向き合い、今後の競技生活を全うして参りたいと思います」と、謝罪し、深々と頭を下げた。「今回の試合はケガもあって不安はあったんですけど、これまでずっと応援してくださった特に福井県の方々を思って、一緒に戦ってくれるチームのみんなのことを思うと、最後までやりきることが使命と思っていた。最後までやりきれてよかった」と試合を振り返り「本当にこの素晴らしい体育館で演技させてもらえて本当に感謝しています。色んな方に声を掛けていただいて今後に前向きな気持ちになれました」と、語った。復帰戦にこの大会を選んだことについては「正直、ケガがあって出れるかわからない状況だった。それでも出たいと思ったのは福井県の皆さんのおかげ。先輩、後輩たちが笑顔で迎え入れてくれて、最後にはおかえりなさいって言ってくれたので、本当に感謝しきれない。嬉し涙です」と、瞳をぬぐった。「またここからしっかり自信のもてる演技を積み上げていって、今以上に大好きな体操を誰よりも楽しめるように頑張って行きたい」と今後を見据えた。

 宮田はチームを優勝に導くと、仲間と抱き合って喜んだ。宮田は最初の跳馬に臨む前には緊張からか涙ぐむ様子も。それでも13・300をマークすると、緊張した様子を見せながらもチームを引っ張った。床の演技を終えると涙があふれ、優勝決定後も感情を抑えきれなかった。

 宮田は未成年ながら6月末から7月にかけて飲酒と喫煙を行ったことで、日本オリンピック委員会が定める「国際総合競技大会派遣規程」と日本体操協会の「日本代表選手・役員の行動規範」に違反。五輪開幕直前の7月に代表を辞退した。今大会が騒動後初の実戦で、5月のNHK杯以来4カ月ぶりの大会だった。