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YouTuberでタレントのフワちゃんが、お笑い芸人やす子さんに向けたXの投稿があまりにも不適切だとして批判されています。

やす子さんは8月2日に自身のXで「やす子オリンピック 生きてるだけで偉いので皆 優勝でーす」と投稿。それに対して、フワちゃんは引用ポストで「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」と投稿したとされます。あまりにショッキングな投稿はすでに削除されましたが、そのスクショは拡散されています

やす子さんは「とっても悲しい」と反応。フワちゃんも8月5日、「本当にすみません 今ここで皆さんに報告することではないのですが、言っちゃいけないこと言って、傷つけてしまいました ご本人に直接謝ります」と謝罪文を投稿しました。

フワちゃんが何も問題だと思わずに「死んでください」と投稿したのか、それとも別のアカウント(裏アカ)を利用していると勘違いし投稿したのかはわかりません。フワちゃんは自身の公式ホームページで、裏アカがあることを認めています。

「死んでください」と第三者に向けた投稿は、脅迫などの違法行為にはあたらないのでしょうか。清水陽平弁護士に聞きました。

弁護士の見解「社会通念上の許される限度を超える侮辱」とも言える

--フワちゃんやす子さんの投稿に対して、引用ポストの形で「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」などと投稿。どんな法的問題があるでしょうか。

法的に問題があるというためには、権利侵害があるといえる必要があります。

この投稿は、やす子さんにとって不快感を覚えるだろうことは論を俟(ま)たないでしょうが、不快感があることがストレートに権利侵害となるわけではないので、もう少々検討を要することになります。

内容的には「死んでほしい」という願望を記載したものであり、どのような考えを持っても自由であることを考えると、単に投稿するだけなら侵害ということは難しいかもしれません。

ただ、今回は引用リポストしたものであり、直接的にやす子さんに投げかけていることや明らかな揶揄を含むことを考慮すると、社会通念上許される限度を超える侮辱があるという余地はあるように思います。

したがって、民事上、名誉感情侵害として、不法行為になる可能性があると考えます。なお、刑法の「侮辱罪」は外部的名誉を保護法益とするので、今回は成立することはないでしょう。

【取材協力弁護士
清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022〜2023年) の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ・ドラマ「しょせん他人事ですから〜とある弁護士の本音の仕事〜」の法律監修を行っている。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:https://www.alcien.jp