成都パンダ繁殖研究基地のパンダ=5月22日、中国・四川省/An Yuan/China News Service/VCG/Getty Images

(CNN)中国の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は、パンダに対する問題行為があったとして観光客12人を生涯入園禁止とした。

同基地の公式ウィーチャット(微信)によると、生涯入園禁止となったのは26〜61歳の12人。今年4〜6月にかけ、屋外のパンダの遊び場にタケノコやロリポップの棒、たばこ、卵、パンなどを投げ入れたり、つばを吐いたりしているところを見つかった。

パンダたちは元気で健康状態に問題はないという。

禁止対象とされた観光客は団体ではなく、個別に同基地を訪れていた。氏名や国籍は公表していない。

同基地は成都で最大の人気観光地。公式サイトでは「自身と動物たちの安全に配慮してください」「動物から離れて、静かに観覧してください。動物活動エリアにごみを捨てたり、つばを吐いたり、餌を投げ入れたりするなど、動物の安全を脅かす行為は禁止されています」と注意を呼びかけている。

その上で、そうしたルールに違反した場合は「注意と受講、1年間の入園禁止、5年間の入園禁止、生涯入園禁止など、程度に応じて処分を受けます」と明記している。

同基地は中国南西部の四川省で1987年に開業。ジャイアントパンダに関する研究や保護、教育観光の拠点とすることを目指し、自然の生息地が再現されている。

研究者らはそうした環境に「溶け込む」ため、パンダの尿を吹き付けたパンダの着ぐるみを着けることもある。

世界自然保護基金は2018年、ジャイアントパンダを「絶滅危惧種」から「危惧種」に引き下げた。現在、野生の個体数は1800頭と推定されている。