「平等な競争環境の中で、大学入試に挑まれるべき」 悠仁さまが東大進学なら“特別扱い”の批判が巻き起こる理由
![悠仁さま](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/a/ea04d_1523_0e1cc67e_b2edd9fe-m.jpg)
推薦入試を見越した“実績作り”との疑念が
学習院で過ごした後は海外留学へと羽ばたく。皇室で王道とされてきた教育スタイルが過去のモノになろうとしている。はたして未来の天皇のご進学先はどこになるのか――。【前後編の後編】
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これまで悠仁さまのご進学先として複数の大学名が取り沙汰されてきた。その筆頭が東京大学で、悠仁さまが通われている筑波大学附属高校からも多数の合格者が出ており、都内で農学部をもつ数少ない国公立大だ。他にも筑波大学や東京農業大学など自然科学系に強い学部を擁する大学が、有力候補だと報じられてきた。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/a/ea04d_1523_0e1cc67e_b2edd9fe.jpg)
それらの根拠となったのが、昨年11月に悠仁さまが宮内庁職員および国立科学博物館の研究主幹・清(きよし)拓哉氏との共同執筆の形で発表された「トンボ論文」である。
さる皇室ジャーナリストが言う。
「赤坂御用地に生息するトンボの生態をまとめた論文で、同博物館の紀要に掲載されて専門家たちからも高い評価を受けましたが、これが世間からあらぬ批判を招いてもいるのです」
一つは研究の主題が「赤坂御用地」という一般人が容易には立ち入れない場所を対象にしていること。もう一つが、国内でトンボ研究の第一人者とされる国立科学博物館の清氏など、一流の専門家と論文を書かれたことだ。
この二つをもって、論文は「皇室特権」を利用した産物で、推薦入試を見越した“実績作り”ではという疑念を、世間に抱かれてしまっているのだ。
「先ごろSNS上では、東大に問い質したという人物が現れて、“東大の推薦入試では、受験生が提出する論文は共同執筆の形でもよいとの回答を得た”と投稿。これが事実なら“金持ちの子弟が高名な専門家を雇い共著論文を執筆してもらえば合格できてしまう”などと指摘し、物議を醸しています」(同)
批判が巻き起こる可能性も
たしかに東大では、8年前から高校の課外活動などで優れた実績を残した学生を総合的に評価する推薦入試を始めた。悠仁さまが論文を成果として提出されることも可能だ。しかし、一般の高校生が学者と共同で執筆する機会などほとんどないだろうから、“特別扱い”との批判が巻き起こっても不思議ではない。
もっとも東大の推薦入試では、「共通テスト」で8割以上の点数を取らないと合格できない。これは一般入試で合格する実力に匹敵するため、論文だけで即入学できるほど甘くはないが、不信感を招くのは事実だろう。
象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院准教授の河西秀哉氏はこうも言う。
「仮に悠仁さまが東大に進学されたとなれば、代わりに別の受験生が落ちることになります。国民統合の象徴である天皇になられるお方が、誰かを蹴落としたとの印象を持たれるのはよくありません。もちろん他の大学についてもいえることですが、東大は最難関で学歴社会の象徴ですよね。ならば、これまでも皇族を受け入れた経験がある学習院大の方が、あつれきはほとんどないと思います」
悠仁さまのご進学先について賛否両論が巻き起こる背景には、そもそも秋篠宮家が「学習院」以外の選択肢を望んできた経緯がある。
戦前から皇室の藩屏(はんぺい)として創設された伝統を誇るだけに、上皇さまをはじめ今上陛下、秋篠宮さまご自身でさえ、初等科から大学まで一貫して「学習院」で学ばれてきた。
ところが、秋篠宮家はといえば、長女の小室眞子さん(32)と佳子さまは、幼稚園から高校までは学習院に通われたものの、お二人とも最終的には国際基督教大学(ICU)を卒業。佳子さまは、学習院大を中退し、再入学されているのだ。
「せめて国民と同じように平等な競争環境の中で…」
宮内庁関係者によれば、
「秋篠宮さまは動植物の研究に関心をお持ちで、学習院以外の大学を希望されましたが、上皇さまのご反対に遭って頓挫した経験がおありです。そのため、お子さまたちの自主性を重んじ、希望する学校で勉強してほしいとのお考えなのです」
『学習院女子と皇室』の著者で昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員の藤澤志穂子氏はこう語る。
「今は時代も変わっていますし、悠仁さまが学習院に行かれずとも決して責められることではありません。今の学習院は高校自体が外部進学を勧めており、早慶上智などへの推薦枠も多くなっています。生徒の半数以上が他大に進学しており、エスカレーター式に学習院大まで行く人は少数派になりつつあります。今さら学習院に行かれなくてもと思いますし、本当に学びたいことがおありなら、東大に行かれたらよいと思いますが、せめて国民と同じように平等な競争環境の中で、大学入試に挑まれるべきではないでしょうか」
「権利ではなく義務」
一連の「小室問題」以降、皇族の“特別扱い”について国民はことさら敏感になっている。進路の選択を誤れば、皇室への不信が再燃しかねないのである。
「悠仁さまのご進学先は、一国民の権利として“自由が認められるべし”との意見もあるでしょうが、自由には責務が伴うことを忘れてはいけないと思います」
と指摘するのは、世界の王室事情に詳しい関東学院大学教授の君塚直隆氏だ。
「将来、悠仁さまは間違いなく天皇になられる人です。トンボ研究など生物学の道に進まれること自体を否定するわけではありませんが、その道へ本当に進むとなれば、博士号を取るくらいの実力と覚悟が求められる。むしろ天皇となられるからには、日本の歴史を学ぶことは必須であります。自分の興味関心事以外にも、歴史学や法学、政治学など幅広く学べる大学がよいのではないでしょうか。こと皇室の方々において、そういった選択は権利ではなく義務であると考えます」
未来に向けて“帝王学”を学べる環境こそ必須なのは言うまでもあるまい。
前編では、故・三笠宮寛仁さまの長女・彬子女王の著書がベストセラーになっている件に触れながら、皇族の理想的な進路選択についての専門家の声を紹介している。
「週刊新潮」2024年6月20日号 掲載