資産25億円!証券ディーラー出身の凄腕投資家の投資術。「どんな相場でも利益を出さないといけない」プロの勝ち方を公開

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25億円という個人としては破格の資産を築き上げた投資家がいる。SNSを中心に人気を高める個人投資家のヤマモト氏(@traderyamamoto)だ。彼は現在、約23億円を証券口座に入れて運用し、日々の値動きによって1億円が動くことも珍しくはないという。
なぜそのような資産を築けたのか。それはヤマモト氏の経歴を聞けば納得する。彼は「新人の多くは3ヶ月以内で辞める」という証券ディーラー出身なのだ。

証券ディーラーとは証券会社の資金を運用で増やす、いわば投資のプロ。就業時間はすべて相場と向き合い、所属先から厳しい達成目標をひたすら追いかける仕事である。

そんな厳しい世界で15年間も生き残り、「最終的には45億円を運用していた」というヤマモト氏。個人投資家となった今、彼はどのような投資を行っているのか。プロ中のプロが明かす投資の極意と、密かに狙う「10倍株候補」を教えてもらった。(連続インタビュー1回目)

◆損失を出せば給料なし。ヘタすれば”クビ”の世界

私の所属していた証券会社ではまず、「1000万円を運用して月100万円を儲ける」というノルマからスタートします。完全に出来高制で、損失を出したりノルマが達成できないとクビ。最初の数か月はノルマをクリアできなくてもクビにはなりませんが、成績が残せないとプレッシャーが凄いので、大半の人が入社3か月以内で辞めていくような職場でした。

私の場合、2年目くらいからコンスタントに月800万〜900万円の利益を出せるようになっていきました。徐々に運用額も増え、最終的には45億円を運用していましたね。

証券ディーラーは多くが中途入社で、新卒やプロパー社員はほぼいません。私も前職は金融機関ではありませんでしたが、大学時代から株式投資は行っていました。なので、「会社のお金を運用して、さらに投資の勉強もできる」という単純な動機で入社したのですが、最終的には15年間も所属していました。

◆プロはどんな相場でも利益を出さないといけない

では、証券ディーラーがどのような投資をしているのかと言えば、当初はデイトレのみでした。というのも、当初所属していた証券会社では翌日にポジションを持ち越す「オーバーナイト」での取引が禁止されていたのです。なので、短期的に材料や動きがある銘柄を見つけては取引を繰り返す形を選ばざるを得ませんでした。

しかし、東京証券取引所が高速売買システム「アローヘッド」を導入してから、現物株の注文を受けて受付通知を出すまでの時間が短縮されました。すると、コンピューターを用いたアルゴリズム取引(自動売買)が発達して、状況が変わりオーバーナイトができるようになったのです。

当然、私たちの投資手法も変わっていきました。日本株を広く見て、値動きがある銘柄に対して投資をしつつ、先物取引でヘッジのために売りポジションを取りながら、値動きを見て外していくといったスタイルになっていきました。

個人投資家なら、上昇相場に乗って単に買っていけばいい。しかし、証券ディーラーの場合は下落相場でも利益を出さなければいけません。これが証券ディーラーと個人投資家の最も違う点だと思います。結果的に色々な手法を身につけることになりました。先ほど「最大45億円を運用していた」と言いましたが、自分が自信を持てる取引をする場合は、上長に掛け合い一時的に10億円ほど“増枠”して投資を行ったりもしていましたね。

◆30代で給与1億円超え!?実力次第で半端なく稼げる

皆さんが気になるのは、証券ディーラーの給与事情だと思います。あくまで私の場合ですが、当初の給与は運用利益の30%が取り分でした。運用金額が増えると徐々にその比率が増えていきます。私は最終的には利益の50%程度となっていましたね。ある証券会社などでは利益の60%が報酬と設定されているケースもあります。