自身5度目のACLに臨む水沼。豊富な経験はチームの助けになるはずだ。(C)SOCCER DIGEST

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 横浜F・マリノスのアジアでの戦いがいよいよ始まる。

 横浜が過去にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の舞台に立ったのは5度(2004、05、14、20、22年)。20年大会で初めてラウンド16まで進み、22年大会も順調にラウンド16まで勝ち上がったが、そこで同じJリーグで戦うヴィッセル神戸に2−3で敗れ、8強入りはならなかった。

 昨季のJ1を制覇してACL23ー24の出場権を獲得し、Jリーグ王者として臨む今大会。グループステージは、山東泰山足球倶楽部(中国)、カヤ・イロイロ(フィリピン)、仁川ユナイテッド(韓国)と同組のグループGに入る。

 悲願のアジア初制覇に向けて、9月18日にグループステージ初戦の仁川戦に向けた前日会見に臨んだMF水沼宏太は、ACLへの想いをこう明かす。

「昨シーズンのACLではグループステージを突破しましたけど、負けて悔しい想いをしているので、今大会に懸ける想いは強いものがあります」
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 ACLは今大会から秋春制が正式に取り入れられ、コロナ禍での集中開催から従来のホーム&アウェー方式に戻る。

 Jリーグは残り7試合と終盤に差し掛かっており、現在2位につける横浜にとっては、19年ぶりの連覇へ重要な時期だ。そのなかでACLのタイトルも狙うとなると、グループステージがリーグ戦と並行して行なわれる日程的な部分だったり、アウェーの地への移動の負担など、いくつか不安要素がある。

 こうした環境下での戦いの難しさについて問われた水沼は、過去4度のうち、16年にFC東京、18年にはセレッソ大阪のメンバーとしてACLを戦った経験を踏まえて、こうコメントする。

「ホーム&アウェー方式は何度か経験しましたけど、ACLをやっているなという印象が強くて、移動は大変ですけど、強いチームだからこそ経験できるもの。胸を張って、日本を代表して、マリノスというチームで戦いに行けるのは幸せです。

 昨年は4月(から5月にかけて)に集中開催して、それはそれで大変でしたけど、大会に入ればモチベーションが勝手に上がるので、(9月から始まることに対しても)気にしていない。日程的に見れば(ノックアウトステージは)来シーズンに入る部分があるので、難しいかもしれないですけど、そのチームにいる限りプロとして全力でやらなければいけない。

 まずはグループステージを突破しなければ次は見えてこないので、リーグ戦は終盤に入ってきましたけど、全試合に勝ち続けることを目標にしているので、1試合1試合、自分たちらしくやっていきたい」

 大事な初戦に向けては、「相手陣地でどれだけボールを握って、攻め続けられるかが大事」と語った水沼。武器の高精度クロスでチームを勝利に導けるか、注目だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)