中国(赤)のラフプレーを韓国の識者が指弾した。(C) Getty Images

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 韓国の識者が中国のサッカーを痛烈に批判した。

 U-24韓国代表は6月15日と19日に、U-24中国代表と敵地でフレンドリーマッチ2連戦を戦い、1勝1敗(3−1、0−1)で終えた。この2戦では、初戦でオム・ウォンサンが相手選手との接触で負傷するなどし、韓国のメディアは中国のラフプレーをこぞって糾弾した。

 そんななか、元韓国サッカー指導者協議会事務次長のキム・ビョンユン氏が、韓国メディア『Sportal Korea』へ寄稿したコラムで、中国のサッカーを酷評した。

「中国は23年の統計では、人口が約14億2000人余りでインドに続き世界2位の大国だ。スポーツの世界でも世界の強国として位置づけられている。しかし例外の種目がある。これはまさにサッカーで、現在、FIFAランキングは81位、サッカー後進国から抜け出せていない」

【画像】韓国メディアがラフプレーを批判したU-24の韓中戦
 そう切り出したキム氏は、「中国サッカーには、発展の持続性を維持できない致命的なアキレス腱があった。まさにシステムの乱脈による活性化の不十分と行政の遅れ、リーダーと選手の育成の怠慢とインフラの欠如だ」と指摘。さらにこう指弾した。

「発展を阻害するもう一つの致命的な要因がある。勝利に対する盲目的なチャレンジ意識だけを前面に出した選手たちの暴力的なプレースタイルと態度だ」

 氏は、「今日、中国はルールを無視した『少林サッカー』を連想させる過激な後方タックルはもちろん、プレーとは関係ない故意的な反則、乱暴なプレーで一貫している」と非難。前述した15日と19日の試合を例に出し、「実に恥ずべきサッカーだ」とばっさり切った。

「中国サッカーは過程を無視した結果だけを前面にする暴力的サッカーを反省し、韓国がなぜ強国に成長したのか、その理由と原因を教訓として発展のための模範にしなければならない。中国はプロ化以後、スーパーリーグとクラブが数億元を投資し、外国人監督と選手を迎え入れ、サッカーの発展を切望している。 だが、中国のそのような成長戦略は幻想に過ぎず、一方で韓国の挑戦は妄想ではない」
 さらに、中国が「黄金世代」と呼んでいたジェネレーションが、現在開催中のU-17アジアカップで惨敗を喫した点にも触れ、「黄金世代ではなく、『井の中の蛙世代』」は屈辱を味わった。中国サッカーの実状をそっくり表わした」とこき下ろしている。

「中国の指導者と選手の意識も情けないレベルだった。技術、戦術、戦略が欠如したまま、精神力を意味する短い髪と単純な選手個人のスピードだけにチャレンジする無謀で愚かな面を見せた」
 
 キム氏は最後にこう締めくくっている。

「中国サッカーの真の発展のためには、無謀で愚かな精神を捨て、発展を妨げている諸問題に対する果敢で革新的な改善を進めるが賢明な方法だ。もしそうでなければ、中国サッカーは依然として万里の長城まで崩れる恥ずかしい沼から抜け出すのが難しいだろう。穏やかな世界のサッカーにはない、中国の無謀な暴力的サッカーが、アジアサッカー全体の質という話題に上がらないかと懸念される」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部