静岡県南伊豆町で、「町のシンボル」ともいえる鉄塔が何者かによって青く塗りつぶされていたことを町長が発見しました。SBSが現地で取材を進めていたところ、「私がやった」と名乗り出た男性が。その動機は思わぬものでした。

<柴田寛人記者>

「南伊豆町の前原橋交差点です。こちらの鉄塔が被害があった鉄塔で、こちらから見ると何も被害は分かりませんが、背後に回りますと道路の逆側が青く塗りつぶされていることが分かります」

青色のスプレーを吹き付けられたのでしょうか。町民憲章「湯けむりのように高く仰ぐ文化のまちをつくりましょう。」の文字が透けて見えています。

この鉄塔は高さ約5メートル。南伊豆町が1980年代後半に設置し、町づくりの行動目標を示したものです。

<町民>

「分かんなかったですね、近くに住んでいるんですけど。何のためにやったんだろうなとは思いますよね」

この状況を最初に確認したのは南伊豆町の岡部克仁町長でした。5月19日金曜日、現場近くの交差点で児童の見守りをしていると、鉄塔の左脇に寄りかかったはじごの一部が見えたということです。

<南伊豆町 岡部克仁町長>

「おかしいなと思って、確認したところ、塗装でいたずらされていたのでビックリしました。暴力的な行為をされるのは大変遺憾なので、もう2度と起きないように対応したいと思います」

鉄塔の足元には、いまも塗りつぶしの際に使われたとみられるはしごが残されています。

いったい、誰が何のために…。SBSが現場で取材をしていると1人の男性が現れました。キラキラしたボードを鉄塔に掲げた男性。声をかけてみると…

<男性>

Q塗られたのは、あなたがやった?

「私がやりました」

男性は町内に住む78歳。2021年、南伊豆町内のモニュメントを損壊したとして有罪判決を受けていて現在、執行猶予中です。町長が現場を発見した前の日に鉄塔を塗ったと話しています。

<男性>

「ちょっとムラだったところを直そうと思って。良かれと思ってやっている。今にみんな分かると思う。小学校近くだから子どもたちも楽しいと思う」

南伊豆町は警察と相談していて、今後、器物損壊容疑で被害届を出すことを検討しています。