アフリカ北部

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ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

アルジェリアってどんな国?

 アルジェリアは、アフリカ北部に位置する国です。アフリカ大陸最大の国土面積をもち、その8割以上はサハラ砂漠です。

 北部には、隣国モロッコに続くアトラス山脈が走っていて、地中海沿岸は、穏やかな気候で都市も多く分布しています。

 地中海に面する首都アルジェには、カスバと呼ばれる迷路状の市街地があり、世界遺産になっています。入り組んだ路地に急勾配の階段が続き、伝統的な家屋や宮殿、モスク、ハマム(公共浴場)が保存されています。

 この都市構造は、16〜17世紀にかけて、周辺国の都市計画に多大な影響を及ぼしました。

フランスから独立後、社会主義を経て市場経済に

 1830年にフランスに占領され植民地となりましたが、第二次世界大戦後、独立運動が行われ、1962年に独立を達成します。

 独立後、社会主義の国づくりを目指して経済も成長しましたが、やがて1980年代に市場経済へ転換することになり、企業の民営化も進められました。

 1990年代以降は、イスラーム原理主義の台頭にともなうテロが続発しています。

 経済は石油と天然ガスの輸出に依存しており、輸出の95%、財政収入の35%を占めます(2016年)。内陸部で産出した石油を地中海沿岸まで運ぶパイプラインが砂漠の中に建設されています。農業は、地中海沿岸部で小麦やオリーブ、ナツメヤシ等を生産しています。

 貿易相手国は、地中海対岸のイタリア、フランス、スペイン等が大きな割合を占めています。

アルジェリア民主人民共和国

面積:238.2万㎢ 首都:アルジェ
人口:4356.7万 通貨:アルジェリアン=ディナール
言語:アラビア語(公用語)、アマジグ語(国語)、フランス語
宗教:イスラーム(国教、主にスンニ派)99%
隣接:チュニジア、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニア、モロッコ、西サハラ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)

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