高速道路ETCレーンでは、20km/h以下のスピードに落とすことが求められています。しかし実際には、それ以上のスピードで通過してもバーが開くのは事実。なぜ減速を求められるのでしょうか。

減速しないでもいいんじゃ…?

 高速道路ETCレーンでは、20km/h以下のスピードに落とすよう案内されています。しかし実際には、通過するクルマがそこまで減速しているかというと、そうではないはず。それ以上のスピードでもバーが開いたというケースもあるでしょう。


料金所のイメージ(画像:写真AC)。

 そもそも、本線を走行中にもETC車載器がピッと鳴ることがあるように、ETCの読み取りは料金所以外でも行われているものの、その場合は特に減速せよとは書かれていません。では料金所で減速を求められるのは、なぜでしょうか。

 道路会社に聞いたところ、これは追突事故を防止するためで、通信のためではないといいます。

 料金所では、ETCレーンのバーが開かずに立ち往生しているクルマが稀に見られます。カードの挿し忘れ、有効期限切れなどに起因するものですが、もし減速していない場合は、原因となるクルマも後続車も大惨事に至ることは想像に難くありません。

 このため、料金所の手前には、カードの未挿入などETCの異常を知らせる“お知らせアンテナ”が整備されているほか、ETCレーンの開閉バーも、速度を抑制する安全装置としての意味合いが含まれます。ヒューマンエラーに起因する事故を二重、三重のシステムで防いでいるわけです。

 2022年以降、首都高を中心に首都圏、阪神圏でICや料金所の「ETC専用化」が進められていますが、国が示した将来の料金所イメージでも、ETCレーンの開閉バーが描かれています。今後も“ETCレーンでは減速”が求められそうです。