新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による発熱やせきなどの症状は、発症しても短期間で回復する人もいれば、数週間〜数カ月も症状が続くという「Long COVID」を経験する人もいます。キングス・カレッジ・ロンドンのミケラ・アントネッリ氏らの新しい研究では、ワクチンの接種を2回行った人は4週間以上続くLong COVIDの発症率が半減することが示されています。

Risk factors and disease profile of post-vaccination SARS-CoV-2 infection in UK users of the COVID Symptom Study app: a prospective, community-based, nested, case-control study - The Lancet Infectious Diseases

https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(21)00460-6



Coronavirus vaccine cuts risk of long Covid, breakthrough infections: Lancet : The Tribune India

https://www.tribuneindia.com/news/health/coronavirus-vaccine-cuts-risk-of-long-covid-breakthrough-infections-lancet-305596

アントネッリ氏らは、イギリス国民向けに配布されたiOS・Android向けアプリ「COVID Symptom Study」からデータを収集して、ユーザーが自己申告した日々の健康状態とCOVID-19の症状、ワクチン接種状況を分析し、健康状態を追跡するという調査を行いました。対象者は2020年12月〜2021年7月の間に健康状態を報告したユーザーで、ワクチン未接種者およびワクチン接種を1回、あるいは2回行ったユーザーが含まれていました。

アントネッリ氏らによると、ファイザー&BioNTech、モデルナ、あるいはアストラゼネカのワクチンを少なくとも1回接種した人が、接種後14日以上経過してから検査で陽性と診断された例は全体の0.5%。2回目の接種後7日以上経過してから検査で陽性と診断された例は全体の0.2%だったとのこと。



さらに、アントネッリ氏らは長期にわたって健康状態を報告し続けたユーザーのうち、陽性診断以降28日以上にわたって症状が続くLong COVIDを報告した例も調査。Long COVIDを報告したのは、ワクチン未接種者の場合は報告者の11%でしたが、2回目のワクチン接種から7日以上経過した後に陽性と診断されたユーザーの場合は報告者の5%と、ワクチン接種を終えることによってLong Covidの確率が半分以下になることが判明しました。

共同研究者のクレア・スティーブス氏は「2回のワクチン接種を行うことで、ウイルス感染のリスクとLong COVIDのリスクを減少させることを発見したことは朗報に思えます」と述べました。