電車事故、あなたは避けられる? 線路作業や駆け込み乗車の危険をリアルに体験できる鉄道VRシミュレータ
VRがある現在では、さらに怖い体験ができるのだ。
最先端の3D技術や映像技術が一堂に出展した「第26回3D&バーチャル リアリティ展」では、最新のVR体験が披露されていた。
「第26回3D&バーチャル リアリティ展」は、2018年6月20日〜22日、東京ビッグサイトで開催された。
今回は、東急テクノシステムの、「VR型待避訓練シミュレータ」と、「VR式車掌訓練シミュレータ」体験をレポートする。

人だかりの山ができている、東急テクノシステムのブース。
■電車にひかれる体験!? - VR型待避訓練シミュレータ
東急テクノシステムは、鉄道関連の電子教材の開発・製造から車両の改造・保守、鉄道電気設備の施工・保守、建物の電気設備の新築・リニューアルまで、公共交通にまつわる事業を展開している。
「VR型待避訓練シミュレータ」は、2018年3月、東日本旅客鉄道株式会社に納品された。
安全確保を推進することを目的として開発された装置で、作業員目線で安全待避を体験や体感をすることができる。
体験者はヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用する。
リアルな3D映像のもと、線路内での作業における安全確認の大切さを体験することができる。
普段は絶対に降りられない線路内の作業ということで、早速、筆者も挑戦してみた。

東日本旅客鉄道株式会社へ納品された、VR型待避訓練シミュレータ。
HMDを装着すると、そこはもう線路内の世界となる。
360度対応のVRなので、全方位を見渡すことができる。
右手奥に、駅が見え、これから電車がやってくるという設定だ。
スタッフの指示に従い、線路に異常がないか、入念にチェックする。
電車が来たら、安全エリアへ待避するのだ。
スタッフの説明がひと通り終わると、電車が突然やってきた。
「電車が来た!」
と思った次の瞬間、目の前が暗くなった。
電車との衝突事故にあってしまったのだ。
それはあまりにも一瞬のことだった。
筆者は
「電車が来ても、電車は駅に一度止まる」
と思っていた。
ところが、たまたま来た電車は「快速」で、駅を通過する電車だったのだ。
スタッフによると、ほとんどの体験者が線路内作業のルールや列車接近のサインを見落としているので、電車事故にあってしまうとのこと。
線路内での作業は、まさに命がけであることが、身に染みて体験できた。

安全確認の最中も、電車はどんどんと迫ってくる。

線路内で線路の安全確認をおこなっている様子。
■電車のドアの開閉は神経を使う - VR式車掌訓練シミュレータ
東急テクノシステムで、もうひとつのシミュレータ「VR式車掌訓練シミュレータ」を体験した。
「VR式車掌訓練シミュレータ」は、電車の車掌をVR技術で実現している。
このシミュレータを利用すれば、車掌区などで日頃行われている疑似的な訓練を、現実に近い仮想空間内で体験することができる。
鉄道会社にとっては、モックアップや実際の車両を必要としないため、省スペース・低コスト化できるので導入しやすいという。
早速、体験してみることにした。
車掌というと、車両のドアを開閉するわけだが、単に開け閉めしているだけではない。
安全確認をおこない、電車を定刻通りに発車させなければならない。
VR式車掌訓練シミュレータには、模擬車掌用スイッチ箱があり、VR映像を見ながら同装置を操作することになる。

VR技術で車掌を体験できる、VR式車掌訓練シミュレータ。
シミュレータがスタートすると、いきなり走行中の電車に乗っている場面になる。
電車が駅に到着し、
・模擬車掌用スイッチ箱を使ってドアを開ける
・電車発車を告げるベルを鳴らす
・乗車客の安全を確認してドアを閉める。
たった3つの作業なのだが、乗車客の安全や生命にもかかわるだけに、予想以上に神経を使う。
さらに電車を定刻どおりに発車させないといけないので緊張もする。
電車発車のベルが鳴っている最中に電車に駆け込む人がいる。
いわゆる「駆け込み乗車」だ。
こうしたシミュレータを体験すると、駆け込み乗車がいかに危険か、安全運行の妨げになるのかが理解できる。絶対にやってはいけないと、あらためて思った。

駅では、お客様の安全を確かめて、ドアの開閉を行う。

電車のドアを開閉している様子。
ITライフハック 関口哲司
