大坂なおみ【写真:Getty Images】

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注目度急上昇の大坂を英メディアも特集、「ナオミはどこまで高みにたどり着けるのか」

 BNPパリバ・オープン女子シングルスで自身初タイトルを獲得し、一躍スターダムにのし上がった世界ランク22位の大坂なおみ(日清食品)。高速サーブとパワフルなストロークに加え、天真爛漫なスピーチでテニス界のニューヒロインとなったが、英メディアは大坂は将来世界ランク1位になれるのか特集。女王ナオミ誕生に不可欠な、“ある要素”について指摘している。

 圧巻の強さと天然スピーチでインディアンウェルズの観衆の心を鷲掴みにした「NAOMI OSAKA」は世界中で話題となっている。英地元紙「テレグラフ」が引用した週間テニスラジオ番組「ザ・テニス・ポッドキャスト」では、英公共放送「BBC5ラジオ」などで解説を務めるデイビッド・ロウ氏がBNPパリバ・オープンを振り返りながら、大坂の可能性について言及した。

「彼女はどんな相手にも優位性を示している。パワーはセリーナ・ウィリアムズのようだ。正確性も彼女の運動能力もそうだ」

 大坂が憧れるグランドスラム優勝23回を誇る女王セリーナとの類似点を指摘。そしてロウ氏は「ナオミ・オオサカは今や本当にトッププレイヤー。彼女がタイトルを獲得した今、誰もが話題にするのはナオミがどこまで高みにたどり着けるのか、ということだ。彼女は未来のトップ5、そしてナンバーワンになれるのか、グランドスラムで優勝できるのか?」と語った。

 大坂はBNPパリバで1回戦で元女王のマリア・シャラポワ(ロシア)を破り、準決勝でも現1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)をストレートで勝つなど格上を連破し、決勝では同じ20歳のダリア・カサトキナ(ロシア)相手にワンサイドゲームを展開。頂点まで上り詰めた。その実力に疑う余地はないが、世界ランク1位の女王になれるかどうかについては、ある疑問が存在するという。

実力に疑いの余地はないが…大坂自身が、女王の座に就くことでの周囲からの注目に耐えられるか

「彼女は輝けるタレントです。1度インタビューしたことがありますが、彼女の発言やソーシャルメディアでの発信を見ていると、個人的な考えですが、彼女が本当に1位を目指したいのか? スポットライトや注目を浴びたいのか? ということです。それを希望しないときに、それに耐えきれるか。彼女にその情熱があるのか。彼女は最高のプレイヤーになれると思う」

 ロウ氏はこう語っている。スピーチでも自然体を貫くのがナオミ流。その脱力トークと独特のユーモアで観衆を常に笑顔にさせる。だが、果たして栄光と引き換えに、メディアの巨大な注目とプレッシャーにさらされ続ける女王の座を、“天然少女NAOMI”は望むのだろうか――。そう疑問を投げかけている。

「アンディ・マリーも注目を嫌うが、彼にはたゆまない情熱がある」。英国の誇る元男子世界ランク1位で「ビッグ4」の一角、マリーを例に挙げていたロウ氏。インタビューの受け答えや、試合後の対戦相手への敬意など、随所に優しい性格がにじみ出る大坂だが、プレースタイルはアフレッシブそのもの。頂点への野心を明確に示す時がやって来るのだろうか。(THE ANSWER編集部)