発表資料
出版科学研究所調べ

公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所は26日、2017年(1〜12月期累計)のコミック市場の統計を発表した。

漫画村など、無料で漫画を閲覧・ダウンロードできる違法海賊版サイトが氾濫する中、日本のコミック市場規模は、紙と電子合わせた全体で2.8%減となった。

特に紙の落ち込みは激しく、コミックス(単行本)が前年比14.4%減の1666億円、コミック誌が同9.7%減の917億円となった。これは、ユーザーの紙から電子版への移行、また、ビッグタイトルの完結とそれに替わるヒット作の不在などが原因とされる。

一方、紙からの移行や無料・値引きキャンペーンを実施しやすい電子版は電子コミックスが前年比17.2%増の1711億円、電子コミック誌は同16.1%増の36億円となり、初めてコミックス市場では電子版が紙を上回ることとなった。

電子版については、無料や値引きで完結した過去作品も売れ行きが伸び、エロ・グロ要素の強い青年向けの作品、BLやTLジャンルの作品など、もともと電子で占有の高いジャンルも成長を続けているという。

ただ、無料作品の増加や過去作品の出尽くし、違法海賊版サイトの影響で2014年から2015年の30%増、2015年から2016年の27%増と比べると成長は鈍化していて(17.2%増)、今後の成長には疑問符となっている。

発表資料
URL:http://www.ajpea.or.jp/information/20180226/index.html
2018/02/26