他のスマホとは全く違う持ち心地--新NuAns NEO徹底レビュー、OS&おサイフ以外の進化点は?
トリニティがWindows 10 Mobileとして「NuAns NEO」を世に送り出してから約1年半。待ち焦がれていたAndroid版がついに発売されました。

その名も「NuAns NEO [Reloaded]」。もちろん、映画「マトリックス」の第2弾のタイトル「マトリックス リローデッド」からきたものです。今回、発売前にお借りできたのでさっそくレビューしました。

なお、NuAns NEO [Reloaded]に関する記事は以下もご覧ください。。
新NuAns NEO、6月に発売延期「品質の向上を図るため」初代とは別物、同じ部品は1つもない──新NuAns NEO 星川社長インタビュー(前編)で、Gmailは使えるの?──新NuAns NEOがWindowsではない意義:星川社長インタビュー(後編)NuAns NEO新モデル、2月20日発表へ──『驚きを仕込んでいる』とトリニティ星川社長SIMフリー&おサイフケータイ対応、NuAns NEO [Reloaded]は6月9日発売、4万9800円。店頭販売店舗は?


▲本体とカバーの外装箱は、従来と同じ。箱は貯金箱にもなる。

初代NuAns NEOでは、「COREコンセプト」を導入し、心臓部とカバー部を分離して設計することで、自由にカバーデザインを選べるという、かつてないデザイン性を実現しました。スマホ向けアクセサリーを手がけてきたトリニティならではのこだわりと言えるでしょう。

今回発売になったNuAns NEO [Reloaded]も、そのコンセプトは継承。トップとボトムで素材を変えられる「TWOTONE」や、手帳のように包み込む「FLIP」も従来製品をそのまま流用できるほか、新たな素材を追加し、約700通りの組み合わせを楽しめます。



▲新作のデニムとコルク、ストーン、パンチングウルトラスエードのカバー。

持った瞬間の指先の感覚が、一般的なスマホとはまったく違う


今回一緒に届いたデニムとコルク、ストーン、パンチングウルトラスエードを試してみたけど、持った瞬間の指先の感覚が一般的なスマホとはまったく違うので、とても新鮮です。気に入ったのはデニムとコルク。その時の気分や衣装でカバーを付け替えたくなります。



▲上をパンチングウルトラスエード、下をコルク。このように好みの組み合わせで使えるのがいい。

カバーが流用できるということで、外観的には初代と変わっていません。しかし、中身は見直されています。まず、ディスプレイは5インチから5.2インチへ、解像度も1280×720ドットから1920×1080ドットとなり、フルHD動画もリサイズされずに再生できます、

シャープ製の液晶を採用し、バックライトが暗くても発色がよく、明るくすると色鮮やかな色彩を表現してくれます。画素密度も428ppiとなったことで、ウェブを閲覧していても文字がとても見やすいのは、老眼ピンチな筆者にはありがたい限りです。



▲左右のベゼルは薄くなり、液晶は発色がよくとても見やすい。

液晶面のガラスは割れにくさで定評のある「Dragontrail Pro」を採用。表面には防指紋フッ素コーティングが施されているが、液晶下部には、指紋認証を新たに備えることで、面倒なPINやパターン入力することなくスリープを解除できます。OSはAndroid 7.1を搭載。

指紋認証はOSの機能を利用して設定し、iPhone 7のようにボタンにはなっておらず、指を当てるだけ。iPhone 7のようなクリック感はないものの、振動はあるので、解除された感は伝わります。OSの設定で持ち上げるとスリープ解除され、指を触れるとすぐにロック解除となり、反応しにくいこともありませんでした。



▲指紋認証は、長方形に少しくぼんだ部分。指の平で触れればすぐに認証される。



▲初期設定のときに指紋認証の登録を行なう。あとから追加も可能。

プロセッサ&ネットワーク性能は?


CPUはSnapdragon 625(8コア/2GHz)を搭載。メモリーは3GB、ストレージは32GBといずれも初代から変更され、パワーアップしている。ベンチマークを測ったところ、以下のような結果になった。

ミドルレンジクラスの性能を十分に発揮し、グーグルマップの拡大縮小も滑らか。ネット閲覧やSNSも快適で、高度な3DCGのゲームでなければ十分でしょう。UIもカスタマイズされていないので、Android OSそのものを楽しめるのも個人的には気に入りました。カスタマイズしていないぶんOSのアップデートにも迅速に対応できる点もうれしい。



▲GeekBench 4での結果。



▲PCMarkのWork 2.0 performanceベンチを実行した結果。



▲Antutu Benchmarkでの結果。いずれもミドルレンジクラスの性能。



▲初期設定終了直後の画面。UIのカスタマイズもなく、おサイフケータイのアイコンが真ん中に鎮座。

Wi-Fiは、802.11acに対応し、2.4GHz/5GHz帯のどちらでも通信ができます。最大速度は433Mbpsで、11ac接続し明け方にSpeedtest.net を利用して速度を計測してみたところ、120Mbpsから160Mbpsほど。ルーターから5mほど離れた仕事部屋での計測だったのですが、若干電波強度が弱かったようです。

念のためルーター直下でも計測してみましたが、下りで250Mbps程度を計測。この数値には大満足です。LTEは、3キャリアの周波数帯に対応。auに関してはVoLTEにも対応する。格安SIMを含め、どこのキャリアのSIMを選んでも問題ないでしょう。



▲仕事部屋で計測した結果。なおiPhoneは最大866Mbpsなので、新NuAns NEOより良い結果が出る。



▲ルーター直下での計測では下りが263Mbpsを記録。これだけ出れば十分だ。



▲SIMはmicroSIMだが、nanoSIM用のアダプターも同梱されている。



▲初期設定でAPNの指定する際、さまざまな格安SIMの設定が用意されており、選択するだけでOK。

USB 3.

充電やデータ転送用のUSBポートにType-Cの採用は従来と変わりませんが、USB2.0から3.0へとパワーアップしました。450MBの動画ファイルをコピーしてみたところ、PCからスマホは約12.20秒(約36.9MB/s)、スマホからPCへのコピーは約14.78秒(約30.4MB/s)。

めちゃくちゃ速くなったというわけではありませんが、撮影した写真や動画をPCへ転送したり、楽曲をスマホへ転送したりする際はUSB2.0より効果はあります。



▲付属のUSBケーブルのPC側は、どちらの向きでも差さるコネクターを採用。つまりケーブルの抜き差しはスマホ側もPC側も気にしなくていいということ。

モバイルSuicaを登録すれば改札でタッチ&ゴーができる


今回の製品での大きな変化は、「おサイフケータイ」の搭載でしょう。電子マネーやICカードとして利用できることになり、モバイルSuicaを登録すれば、改札でタッチ&ゴーができるわけです。現在のところ、JALとANAには対応していないようですが、今後に期待したいですね。もちろん従来機にあった、カードポケットも健在しているので、カードを納めての利用も可能です。



▲SIMフリースマホとして、キャリア販売していないメーカーでは初。これは他のSIMフリースマホと大きな差となるはず。



▲従来にもあったカードポケットは健在。

カメラもパワーアップした


普段使いにおいてカメラ機能も見逃せません。ソニー製裏面照射CMOSイメージセンサーを採用し、リアカメラは1300万画素でレンズはF2.0/28mm。フロントカメラは800万画素、レンズはF2.2/24mmを搭載。リアカメラは像面位相差オートフォーカス機能を備え、コントラスト検出機能を使用して高速かつ正確なオートフォーカスを実現しています。



▲ソニー製裏面照射CMOSを採用したカメラ機能。カバー素材はストーン。

カメラは、簡易と詳細、パノラマ、ビデオの4つのモードがあり、タッチした位置へのフォーカスや顔認識にも対応。フォーカスをマニュアルで調整できたり、美白やソフトフォーカス機能も用意されています。詳細モードを使って撮影したほうが自分で色々と調整できるので楽しいでしょう。



▲画面を下から上へスワイプすると、マニュアルフォーカスが可能に。



▲詳細モードにすると、いろいろな設定が可能に。

実際撮影してみましたが、基本的にフォーカスポイントはセンターに設定されていて、被写体へ向けると自動的に焦点を合わせます。合焦まではだいたい1秒未満。タッチフォーカスをオンにして焦点を合わせたいところにタッチすると、合焦までは1秒程度で若干長くなる傾向でした。焦点を合わせたポイントで撮影すると、フォーカスポイントがセンターへ戻ってしまうため、連続撮影はできません。このあたりはiPhoneと動作的に同じです。

画質は、猫の毛もクッキリで解像感はありますが、室内でちょっと暗めの場所だと、手ブレが発生してしまいボケることも。撮影後に拡大してチェックしないと気が付かないことが多いので、あとで失敗したということにならないよう注意が必要です。

ただし、カメラ機能に関しては、レビュー機のため実際に発売されたものと異なる可能性があります。




▲撮影サンプル。手ブレ補正がないので、動かないよう意識は必要。レビュー機のため参考まで。

駆動時間は、3450mAhの大容量バッテリーを搭載しており、長時間駆動が可能。PCMarkでのバッテリーベンチでは10時間39分を記録。輝度20%程度で様々な動作を行うベンチでこれだけ持つので、普段使いなら1日は余裕で持つでしょう。

Quick Charge 3.0をサポートし、1時間充電すれば70%回復することなので、充電し忘れたとしても出かける前の短時間充電させれば十分。やはりバッテリーが長持ちするスマホはいいですね。



▲PCMarkのWork 2.0 battery lifeでバッテリーベンチを計測。10時間39分という結果に。

このように、外観的には初代とあまり変わりませんが、中身は大幅に刷新されています。まさに"覚醒"したとでもいいましょうか。価格は4万9800円。そのほか、カバーが1400円台から販売。別途買ってもいいし、本体だけ購入しても半透明の黒カバーが付属しているので、そのまま使ってもいいでしょう。

でも、この製品を購入するなら、好みのカバーを選んで、自分スタイルにカスタムしたいところです。SIMフリースマホにはかなり格安な製品も多いですが、メーカーがこだわって作りあげ、デザイン的にも性能的にも優れ、おサイフケータイにまで対応したこの製品。

"使えればいい"のではなく"使い勝手がいい"製品を選ぶことが、あとあと後悔せずにすむはずです。



▲本体には、半透明なケースがついているので、本体だけでも利用できるが......やはりカバーは変えたい。