[どさんこワイド - 札幌テレビ]2015年4月1日の放送では北電の値上げ、新電力の普及についてなどが特集されました。

4月1日、また電気料金が値上げされました。北海道電力の電気料金再値上げに伴う負担軽減期間が終わったためです。

北電では、2014年11月に電気料金を再値上げした際、冬場の負担を軽減する『激変緩和策』を実施していましたが、3月31日で終了しました。

このため電気料金は4月1日から本来の値上げ幅に戻り、一般標準家庭では月額182円増えて8185円、再値上げ前に比べると952円の負担増になります。ただ4月は原油安を反映し8065円となるそうです。また、オール電化住宅では年間の負担額が再値上げの前と比べて、8万5110円も増加するといいます。

画像はイメージです(ridersobplusさん撮影、Flickrより)

節約したのに... 家計の負担増で嘆き 新電力に期待

これまでの値上げで、生活にどのくらいの影響がでているのでしょう。ということで番組では札幌市内のオール電化のお宅から中継がありました。

昨年11月の再値上げ後、奥様はどのような対策をとったのか話をうかがうと、料理、家事は電気料金の安い夜間になるべく済ませるよう頑張ったといいます。

しかし、実際の電気料金を比較してみると...。

2014年1月は、使用量が2249kWh、払った電気料金は3万5980円。そして2015年1月は、使用量2022kWhと使っている量は減っています。なのに、払った電気料金は4万2025円ということで、6135円も増えています。

奥様は、比較的節電に努めたのに思った以上に上がっていてびっくりしているとのことでした。

さらに、北国、北海道ですから、冬場の暖房は欠かせません。オール電化のこちらのお宅では、セントラルヒーティングをなるべく使わないように、一番最初の値上げのときに灯油ストーブを購入し、併用しているそうです。

では、暖房費はといいますと...。

2014年1月の使用料は1346kWhで、支払ったのが2万531円。そして2015年1月は使用量が1109kWh、支払ったのが2万2246円ということで、1715円も増加。しかも灯油代も月4000円ほどかかっているといい、これ以上値上げはしないでほしいというのが道民の生の声です。

電力の自由化へ 北海道のエネルギーの未来と課題

このように道民にとって大きな負担となっている相次いでの電気料金値上げ、そして泊原発の再稼働が見通せないなか、今、新電力事業にのり出す企業が増えています。背景には電力の自由化があるからです。

家庭用の電気は、北電など大手電力会社10社が地域ごとに販売を独占していました。しかし、2014年6月「改正電気事業法」が成立し、2016年には家庭でも電気の購入先を自由に選べるようになります。これが『電力の小売り自由化』です。

現在、牛の糞尿を発酵させてできるメタンガスを使って発電するバイオガス発電やソーラー発電など、企業、地域によって開発は進み、それらで発電した電気は既存の送電線を使って北電に売っています。

しかし、電力が自由化された場合の送電線の使用料など不透明な部分も多いのが現状です。このため公平な競争環境の整備が急務だといいいます。

迫る電力の自由化。原発事故をうけて再生可能エネルギーの設置は進んでいますが、新電力として普及するかはまだ未知数のようです。(ライター:北海道saki)