テレビ東京「FOOT×BRAIN」(30日放送分)では、今尚現役で活躍する二人の重鎮サッカージャーナリスト・賀川浩氏(89)と牛木素吉郎氏(82)がゲストで出演。「アギーレ監督にも知ってほしい 日本サッカー進化の歴史」と題し、日本サッカー界に大きな影響を与えた3人を紹介した。

2人が挙げた“常識を覆した偉人”とは、ジョージ与那城氏(現ブラウブリッツ秋田監督)、セルジオ越後氏(サッカー解説者)、ラモス瑠偉氏(FC岐阜監督)の三人だ。賀川氏&牛木氏は以下の通りに語る。

1. ジョージ与那城氏
「最近の人は知らないと思うんですけど、彼は読売クラブでブラジルから選手を呼ぼうじゃないかとサンパウロの日本人会に手紙を出して“誰かいないか”って探して貰ったら日本人会の会長さんが日系人リーグの得点王だったって推薦してきて日本に来た。

ところが、やって来たらまるで日本のそれまでのサッカーと違う。彼はセンターフォワードで後ろにバック(DF)がついているときに“パスをよこせ”って言う。(当時は)空いてるスペースに走ってパスを貰うっていうのが普通だった。なぜかっていうと自分のところに人がついてるから他が空いてるって言うわけ。相手がヘボだったら抜いて出る。中央突破ばっかりやってた。そういうサッカーは今は沢山ありますけど、その頃は日本にあまりなかった」(牛木氏)

2. セルジオ越後
現役引退後は「さわやかサッカー教室」というサッカー教室を開き精力的に活動、教えてきた子供の数は60万人にも及ぶという。

「教え方が非常にうまい」(牛木氏)

「ボールを扱うことがこんなに楽しいことだって自分でやってみせる。例えば、“君、このボールをリフティングするのにボールを上げてみて”って言う。(足でボールを)引いて上げますよね。すると“他にやり方ない?”って言うわけです。アウトサイドで“それもあるな”と。転がしてみて彼は膝をついて膝に当ててボールを上げる。ボールを上げるだけでこれだけあるよと。余計なことを言わずに自分の技をみせて教えた」(賀川氏)

3. ラモス瑠偉
「ブラジル人はボールの扱いがうまいと思いがちなのに、守備にこんなに目配りがきいて、こんなにうまいのかと」(賀川氏)