青山学院大(Wikimedia Commonsから。663highlandさん撮影)

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第94回箱根駅伝の3区は、2位の青山学院大が、絶対エースの田村和希(4年)。首位の東洋大と22秒差でたすきを受け、8秒差まで縮めたものの、最後は失速、46秒差と逆に差を広げられた。2区の神奈川・鈴木、順天堂・塩尻などに続き、またもやエースが底力を発揮できなかったのはなぜか。

追いつこうと焦ってしまうが...

1位の東洋大は、全日本大学駅伝の4区で区間2位の好記録を残している山本修二(4年)をあえて「花の2区」ではなく3区に起用。山本は序盤からペースを保って淡々と首位を独走した。

追いかける2位の青山学院大は、エースの田村和希(4年)。東洋大と22秒あった差を、一旦は8秒まで詰めた。だが、そこからペースが上がり切らない。15キロ以降、差はまたじわじわと開いていった。

「追いつくかと思っていたところを離されてしまうと、焦るのではないか。自分が調子悪いのではないかと、変な意味で思ってしまう」

解説の瀬古利彦氏はそう分析する。11.9キロから松並木で一直線の湘南海岸道路に入る3区は、海外線沿いの比較的フラットなコース。解説の大迫傑は大学時代に3区を走っており、

「直線になると前の選手が近く感じる。追いつこうと焦ってしまうが、実際には距離があるので、注意が必要」

と解説した。青山不動のエースが伸び切らなかったのも、そのせいかもしれない。

田村は結局、1時間2分40秒の2位でたすきリレー。山本が1時間2分17秒の区間賞でトップを守り抜いた。