開発した空調システムは、熱交換器と風を送り出すブロワーからなる空調室内ユニット(HVAC)と、操作用デバイスや空調制御用コンピューターからなるコントロールユニット(CCU)で構成。センサーを駆使して、少ないエネルギーで車内の設定温度に到達させる空調制御方式を採用。さらに、暖房運転時に必要なエンジンの廃熱も熱交換器の形状などを改良することで効率よく使えるようにしたほか、ユニット自体も小型軽量化。搭載する車種の燃費向上に寄与する。

 「サンデン・インターナショナル・ヨーロッパ」のドイツ支店(バート・ナウハイム市)のテクニカルセンターで開発し、「サンデン・マニュファクチュアリング・ポーランド」(ポルコビツェ市)で生産する。今夏発売予定のダフ製の大型トラック「CF」と「XF」に搭載される。ダフの新型車は現行車種より7%燃費を向上しており、「空調システムも貢献している」(サンデンAS担当者)とする。

 サンデンASは2015年に日本で開発した空調システムの欧州生産を開始。スウェーデンの商用車メーカーであるスカニアに納入している。欧州の他メーカーへ提案を続けるうち現地での開発を要望されたため、「スピード、レスポンスともに速くするため、欧州での開発を決めた」(同)。現地で開発生産したシステムは今後、他の欧州メーカーに訴求する。また、欧州以外でも現地開発体制を整えていく考え。
日刊工業新聞2017年6月20日