日本ハムの大谷翔平とカブスのジョー・マドン監督【写真:田口有史、Getty Images】

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昨季の世界一球団も獲得に本腰か、「カブスのレーダーでオオタニが次なる大物に」

 日本ハムの大谷翔平投手は、今オフにもポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー挑戦に踏み切る可能性が浮上している。「和製ベーブ・ルース」の異名を取る若きスターの“新天地”について、昨季ワールドシリーズを制覇したカブスのジョー・マドン監督は、指名打者(DH)制度の存在から「ア・リーグが容易」と分析。その一方で、DH制度のないナ・リーグでの起用法についても言及している。地元テレビ局「CSNシカゴ」電子版が報じている。

 メジャー挑戦を正式に表明した場合、メジャー球団が今オフに壮絶な争奪戦を展開すると見られている大谷。カブスもまた争奪戦に参戦する可能性が浮上している。

「プレーオフが終われば、カブスのレーダーでショウヘイ・オオタニが次なる大物になるかもしれない」とのタイトルで組まれた「CSNシカゴ」の特集では、メジャー屈指の名将・マドン監督が、165キロの剛速球を誇りながら昨季は打者としても22本塁打を放った大谷のメジャーでの二刀流実現について言及している。

「もしも、彼が衝撃的に素晴らしいなら、できることはたくさんある。彼がそこまで優秀ならば、多くのユニークな状況が生まれてくる」

 マドン監督はこう語り、才能豊かな大谷の二刀流を“容認”する方針を示したという。その一方で、最高の舞台はカブスの所属するナショナル・リーグではないとも分析している。

「ナショナルリーグはクリエイティブにいくしかない」

「常にルールには例外が存在するものだ。(打者は)登板の翌日か2日後か、もしくは打たないとか。肩にある程度の休養を与えないといけないからね。彼はアメリカン・リーグのチームに完全にフィットする。彼が先発しなければ、DHでプレーできる。アメリカン・リーグのチームがそういう選手を見つけられるとするなら、興味深いね。優秀なDHに全資金を投入せずに、この先発投手と本当に打てる打者を得ればよいのだから」

 日本ハムが所属するパ・リーグと同様に、DH制度を導入しているア・リーグこそ、二刀流の真価を発揮できると名将は記事の中で語っている。一方で、投手も打席に立つナ・リーグで稀有な才能を輝かせるためには「クリエイティブ」な方法が必要になるという。

「もしも、彼がそこまで素晴らしいなら、(DHを解除して)ナショナル・リーグのルールでも登板できるだろう。(先発投手が打席に立てば)その1日は余分な選手をベンチに置くことになる。どんなことだってやれるんだ。表面的に見れば、アメリカン・リーグは簡単だ。

 ナショナルリーグはクリエイティブにいくしかない。しかし、彼が投げないのなら、そこまで肩を使ってほしくない。外野からの返球でさえもね。でも、彼がそれに慣れているとするなら、全てがガラッと変わってくるかもしれない」

 カブスは来季、ジェイク・アリエッタ、ジョン・ラッキーの両先発投手がフリーエージェントになる。先発投手の獲得は急務だ。メジャー最高のアイデアマンとしても知られるマドン監督が語った「二刀流論」。名将の元でプレーする可能性はあるのだろうか。(Full-Count編集部)