札幌PARCOでは、1月27日から、クラウド通訳の試験導入を予定しているという。(画像:ケイ・オプティコム発表資料より)

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 通信企業ケイ・オプティコムは23日、新たなサービス「クラウド通訳」の有料トライアルを開始した。これは、クラウドソーシングの在宅通訳者を起用し、スマートフォンのテレビ電話を介して、外国人と日本人の間の通訳を随時的に執り行うサービスである。

 日本を訪れる外国人観光客の数は増え続けている。この十数年ほどを見ると、リーマンショックや東日本大震災の年に減少があったなどの例を除外すると、ほぼ右肩上がりと言ってもいい伸び方だ。

 だが外国人観光客の増加に伴う問題というのもたくさんある。一般論として、日本人は、外国語ができない。21世紀現在、世界の公用語ともいうべき地位にある英語でさえ厳しい状況にあり、日本人で通訳ができる人材には数に限りがある。当然、観光客が増えれば、彼らの手は足りなくなる。

 観光庁が外国人旅行者に対して行ったアンケートを見ると、(日本で)「コミュニケーションに困った場所・場面」、第一位が「言語一般」で、ぶっちぎりの49.3%である(二位は「交通」と「飲食」が並び、どちらも11.3%)。

 というわけで、通訳がもっと必要なのだ。このニーズに対して、ケイ・オプティコムは、「在宅・クラウドソーシング」とのマッチングという妙味のあるアイデアを提出した。「ある程度の言語能力があって、在宅で働きたい」人と、通訳が欲しい人とを、「スマートフォンによるテレビ通話」という形で繋ぐのだ。

 現在のところ、対応言語は英語・中国(北京)語・韓国語の三つ、利用可能時間は9:00〜21:00という形でサービスが開始される。導入初期費用が1万円、端末レンタルが一台あたり月1,000円、料金プランは60分プラン月5,000円、使い放題プラン月1万2,000円とのことだ。

 東京オリンピックの足音も、かれこれ聞こえ始めようかという今日この頃である。サービスの行方を見守りたい。