記者会見で報道陣の質問に答えるイオンの吉田昭夫社長(29日午後、熊本市中央区で)=若杉和希撮影

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 イオンは29日、「令和8年熊本地震」を受けて発生した商業施設「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)での爆発事故を受け、熊本市内で記者会見を開いた。

 会見にはイオンの吉田昭夫社長やイオンモールの大野恵司社長らが出席。吉田氏は死傷者を出したことについて「尊い命を失われた方々がおられる事態を招き、大変重く受け止めている。慚愧の念に堪えない」と謝罪した。施設の安全性を確認するため、全国のイオンモールでガス設備などの緊急点検を行う方針も示した。

 会見での主なやりとりは以下の通り。

 吉田氏「現在も建物内に取り残されている方々がおり、救出活動が続いている。一刻でも早く救助されることを心より願っている。亡くなられた方々、ご遺族の皆様、負傷された皆様に対し、当社として誠心誠意対応していく」

 「当日の経緯。地震発生直後、館内放送と従業員の巡回で、揺れが収まるまでの安全確保を行った後、屋外への避難誘導を行った。約30分後の午後5時頃にお客様と専門店(テナント)ならびにイオングループの従業員が平面駐車場に避難した。その約50分後にイオンモール熊本の南側中央部付近で爆発が発生した」

 「当社施設で起きた事故として重く受け止め、被害に遭われた方々の救助に必要な支援を最大限行う」

 ――地震当時、施設内には何人いたのか。

 吉田氏「お客様が約3000人。夏休み中で、通常の平日よりはかなり多かった」

 大野氏「従業員は、イオンモール熊本で働く2700人のうち、1300〜1500人くらいだと思う」

 ――地震発生から爆発事故までの約1時間半、従業員はどんな作業をしていたのか。

 吉田氏「約30分で従業員を含め、ほぼ皆さんが避難できた。死亡された方が、なぜそこから1時間、館内にいたのかはわからない。家に帰るために必要なものを取りに戻ったという話もあるが、確認は取れていない。我々のマニュアルでは、いったん避難した者は館内に入らないのがルールだ」

 ――被害に遭ったのは従業員か。

 吉田氏「全員専門店の従業員の方々だ」

 ――誰かが従業員が中に入ることを許可したということはないか。

 吉田氏「一切ない。明確に否定する」

 ――イオングループと専門店で、避難の仕方に差があるのか。

 大野氏「まずはお客様を逃がすことを最優先に、テナントの従業員を含めて取り組んでいただいた。その後はテナントの従業員もイオン従業員も一斉に避難する。そこに差はない」

 ――マニュアルの徹底が不十分だったのか。

 吉田氏「基本的には、専門店の方も含めた訓練を年2回やっている。その訓練に沿った行動を取ってもらうのがルールだ。お客様の誘導についてはそれが徹底されたが、その後は徹底的でなかったのかと言われればそうかもしれない」

 ――爆発時、ガスが漏れていたという報道もある。

 吉田氏「ガス爆発の可能性が高いという見解も出ているが、消防から正式な見解が出ていないので、確定することは現段階でできない。情報は全て消防等と共有し、原因究明に時間をかけないよう最善の努力をしたい」

 ――ガス漏れへの備えは。

 大野氏「(ガスの供給タンクの)遮断弁や、バルブを閉めるといったことがあるので、そこについてはどういう状況だったのか、消防と一緒に原因を追求する段階だ」

 ――ガス爆発のリスクは予見していたか。

 吉田氏「想定しきれなかった。今までイオンモールを営業する中で、供給ガスによる事故は東日本大震災の時もなかった。供給ガスによる爆発は初めてのケースだ」

 ――今回の爆発事故を受け、全ショッピングモールのガス設備を見直すのか。それともイオンモール熊本に特有の原因があるのか。

 吉田氏「まずはイオンモール熊本の原因究明をする。それと当時に、全国のイオンモールで法定点検と定期点検とは別に、緊急点検をスタートさせる」

 ――イオンモールは防災拠点にもなっている。自治体とも連携しているが、影響は。

 吉田氏「こういうことが起きたので、我々の施設の安全性を担保することがまず必要だ。各自治体とは、避難場所(の提供)も一つだが、物資供給という部分もあるので、我々として災害時にどの部分にウェートをおいてサポートしていくのか、もう一度確認していくべきだと思う」

 ――今後、会社としてどのような体制で事故に対応していくのか。

 吉田氏「本社と現地のそれぞれに対策本部を設置しており、連携を取りながらイオングループとしてできること全てを熊本につぎ込む」