CNN取材班を乗せたフィリピンの船に向けて中国海警局の船が放水砲を発射した/CNN

CNN南シナ海の係争海域付近で24日、中国船がCNNの取材班を乗せた船舶を含むフィリピン船に放水砲を発射した。当該海域で双方が緊張感を持って対峙(たいじ)するのは今週に入って3度目。

今回CNNは、フィリピン水産資源局の船舶に独占的に乗船する機会を得た。同船は中国フィリピンの双方が領有権を主張するスカボロー礁付近で、地元漁民向けの燃料補給を行う任務に就いていた。

24日、フィリピン船がスカボロー礁に近づくと、より大型の中国海警局の船数隻が接近した。その距離は、CNNの取材班が船上の要員らの顔を認識できるほど近かった。

「直ちに立ち去れ。さもなければ、法に基づいて断固たる措置を取る」。中国海警局は拡声器でそう警告した。中国船はフィリピン船の周囲を絶えず旋回。放水砲を発射すると、その水流がフィリピン船に命中した。

南シナ海をめぐる対立は、近年他地域の衝突の影に隠れているものの、依然として世界的な紛争に発展しかねない主要な火種であり続けている。毎年世界の海上貿易の3分の1が通過する重要な経済回廊であるこの海域をめぐり、複数の政府が主権を争う状況となっている。

フィリピン船団は最終的に24日の任務を中止し、当該海域での台風の発達を理由に港へ引き返した。船団が離れると緊張は劇的に和らいだが、その数時間後も中国海警局の船が遠方からなおフィリピン船を追尾する様子が確認された。

フィリピン当局によると、中国側は海警局といわゆる「海上民兵」に所属する船舶合わせて15隻を展開した。一方、フィリピン側は10隻を投入し、そのうち3隻は沿岸警備隊所属だった。また、任務中にはフィリピン政府の小型プロペラ機が船団上空を低空飛行した。

フィリピン沿岸警備隊は、自国の船舶が「中国海警局による一連の放水砲攻撃と危険な操船行為を受けた」と発表した。また、中国船1隻がCNN取材班の乗るフィリピン船から7メートル以内まで接近し、「深刻な衝突の危険」をもたらしたとしている。

一方、中国国営放送は、中国海警局が「24日、中国の管轄海域である黄岩島周辺で違法活動に従事していた複数のフィリピン船に対し、法に基づく執行措置を講じた」と報じた。黄岩島はスカボロー礁の中国名。

CNNのマイク・バレリオ記者から24日の事案について見解を問われた中国外務省の林剣報道官は、「中国が権利と安全を守るために必要な措置を講じることは正当かつ合法。その対応は専門的で標準的であり、非難される余地はない」と述べた。

フィリピンではバホ・デ・マシンロックとも呼ばれるこのスカボロー礁は、中央に礁湖を持つ無人の岩礁で、フィリピン本島ルソン島の西約220キロメートル、中国・海南省から約850キロメートルの位置にある。

中国フィリピン台湾はいずれもスカボロー礁の主権を主張している。しかし、中国は2012年以来、周辺海域にほぼ常時海警局の船舶を配備することで、この浅瀬を事実上支配している。