ブラジル戦で先制点を奪った佐野海舟(左)【写真:ロイター】

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日本―ブラジル戦ドラゴン解説第3回

 サッカー北中米ワールドカップ(W杯)は29日(日本時間30日)、決勝トーナメント1回戦で日本がブラジルと対戦。1-2で逆転負けを喫し、32強で姿を消した。今大会、THE ANSWERで解説を務める元日本代表FW久保竜彦が東京・中目黒の編集部に来訪し、試合を分析した。全3回の第3回は2030年W杯へ向けて。王国ブラジルに善戦しながら、またも決勝トーナメント1回戦の壁に阻まれた日本。4年後へ、25歳MF佐野海舟をさらなる進化のキーマンに指名し、レアル・マドリード、バルセロナというメガクラブへのステップアップを期待した。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 この4試合を通して一番良かったんは、佐野じゃないの。GK(鈴木)も良かった。だけど、前目でおらんよね。

 4年後に向けて、本当に日本が世界でもう一個上に行くのは、佐野がどこ(のクラブ)に行くかやな。佐野がレアル、バルサに行ったら上がるんじゃないの、日本のレベルがまた。それでゴロッと変わる。なぜ? そういうもんやから。

 あんな怪物と毎日練習できるんやけん。情報が入るから。どんなことやってるのか、どんな強度でやってるのか。

(伊藤が所属する)バイエルンもそこそこやけど、じゃあそこでレギュラー取ってるか、アーセナルで冨安もレギュラー取ったかって言ったら取ってない。(ビッグクラブで)取ったの長友だけやん、インテル。だけん「長友」なんよ。ごちゃごちゃ言っても長友なんやもん。

 あのインテルに入って何年レギュラー務めたよ? (現在の日本代表では)年取ろうが、何しようが、長友なんよ。(超一流を)見とるんだ。で、そこで何年やったよ。それだけで長友が(代表の水準を)押し上げてきたんやと思うよ。

 その次に行けるのが、佐野やないの。

 やっぱ上手いよね。ボール奪って渡せるもんね。で、失わん。今日は1回か2回ぐらい? 失ったの。タイプ的にどうやろ、エッシェン(元ガーナ代表MF)くらいなれりゃいいけどね。あれも怪物よ。レアルなんて(簡単に)行けんと思うけど。でも、行かんとしょうがない。

 レベルアップはするよね。周りの選手も(波及効果で)行けるんだって思うでしょ。絶対、努力の仕方も変わってね。

森保監督が導いた4年間の進歩「日本っぽいってのができつつある」

 W杯を振り返ると、もともとは(広島時代に世話になった)森保さんがおるけん、身をもって見よったけど、やっぱ見始めると選手が上手くなってるなと思ったよ。W杯で力を出せれるようになったのも森保さんやろ。明らかに(チームの)厚みはあるし。

 こんだけまとまるのもやっぱね、森保さんの人間的なものやと思うし。(代表監督は今後も)やるんかな、終わるんかな。どうなるんやろ、やれると思うけどね。(4年後に向けて現在のスタイル継続か)どっちがいいんやろな。わからんよね、正解は。

 森保さんがやって、日本っぽいっていうのができつつあるような気はするけどね。

 絶対サボらんし。堂安があんだけ(守備を)やるんじゃけ、それがそう(証明)やと思う。本当バラバラってなるようなのがなかったよね。突き詰めてやってる感じがするよ。まとまってるし。「まとまれ」「まとまれ」なんか口で言うのは簡単だけど。

 本当に信頼関係がないと、まとまらんもんね。サボるもん、やっぱり。サボる生き物やもん。それ(サボらない)が日本らしさだと思うけどね。

 ただ、オランダとか本当に強いとこと(ポゼッションで)戦うのは今は無理やろね。駒が小さすぎる。(相手は)化け物みたいなやつが何人もおるし。だから(路線としては)今回ミスが出たところを突き詰めて、やっぱミスをなくす方向じゃないの。

 4年後はスペインW杯? スペインに、ポルトガルとモロッコの共催なんか。今日のブラジル戦は楽しかったし、W杯は面白いよね。やっぱ決勝トーナメントは特に、ごちゃごちゃ考えずに勝負みたいな感じやけえ。そんなサッカーをまた見たいよね。

■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo

 1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。日本代表・森保一監督(当時選手)とは7年プレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。2024年2月、初孫が誕生。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)