今度こそ、自らのゴールでチームを救う。日本代表は明日、北中米ワールドカップの決勝トーナメント初戦(ラウンド32)でブラジル代表と対戦。FW小川航基(NECナイメヘン)は「本当に今、そのチャンスがある。救えるチャンスがある」と得点への意欲を見せた。

 サッカー王国ブラジルとの対戦にも、小川の精神は冷静だ。ここまで4得点のFWビニシウス・ジュニオール(R・マドリー)に注目が集まる一方で、「ビニシウス以外にもすばらしい選手がいっぱいいる。彼だけってわけではないし、途中から入ってくる選手も、すべての選手にクオリティーがある」と強調した。

 ただ、チャンスへの道筋はイメージできている。相手の左サイドで反撃を待つビニシウスが攻め残ることで、日本の右サイドが空く。そうなれば、グループリーグ初戦・オランダ戦で得点に結びついたDF菅原由勢から小川のヘディングシュートのように、クロス攻撃が大きな武器になる可能性も低くはない。

「僕がいいタイミングとポジションを取ることができれば、本当にチャンスはある。いいクロスを持った選手もいる。クロスを上げる回数は増えると個人的には感じている」

 グループリーグ初戦・オランダ戦で放った強烈ヘディングシュートはMF鎌田大地へのお膳立てに変わった。エゴを出さずにチーム一丸で戦いつつも、ストライカーの本質であるゴールへの意欲は消えることもない。小川はW杯のブラジル戦でゴールを決めるシーンに自身の像を重ねる。「そんなチャンスを持てる選手がいまどれくらいいるだろうか」と、ゴールへの思いを口にした。

「日本中がゴールが欲しいと期待していて、そのなかで日本を救えるチャンスが今あるという状況はそうそうない。誰もが持てるものではない。そのチャンスをモノにするかしないか。僕はモノにできると、僕自身は思っているし信じている」

 大会屈指の組織的な戦い方で頂点へと突き進む日本。負けたら終わりの一発勝負で、最後は小川の“エゴ”が勝利へと後押しする。

(取材・文 石川祐介)