MLB242発の名三塁手がリンドーアのMVPを断言 守備なき大谷翔平は“ふさわしくない”理由「オオタニは本当に凄いが――」

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大谷(右)とのMVP争いにも注目が集まるリンドーア(左)。

「もし、自分に投票権があるなら、僕はフランシスコ・リンドーアをMVPにする」

 そう語ったのは、2000年代の米球界を代表する名三塁手デビッド・ライト氏だ。メッツの情報を発信する米ポッドキャスト番組『Amazin’ Conversations』に出演した同球団のレジェンドは、今シーズンのナショナル・リーグにおけるMVP投票に対する私見を披露した。

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 もっとも、世間の評価は異なる。今シーズンのナ・リーグでは一大フィーバーを巻き起こした大谷翔平(ドジャース)が“本命”という見方が強い。右肘側副靭帯の損傷の影響からDHによる打者専任の1年を送った偉才だが、史上初となる「シーズン54本塁打・59盗塁」を達成するなど異次元の成績を残した。

 近年のMVP投票で重要視されてきた『bWAR』(打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す数値)も大谷は9.2を記録。これはリンドーア(7.0)を凌駕するリーグトップの値だ。

 もはや大谷以外の選択肢はないのではないかと思える。そうした中でリンドーアを推すメッツOBのライト氏は、「世の中的にはありえない意見かもしれないけど、僕はリンドーアこそMVPにふさわしいと思うんだ」と断言。そして「ショウヘイ・オオタニの活躍は並外れたものがあったし、皆が言うように前人未到でもあった。だけど、やっぱりリンドーアの守備面の活躍には注目に値する」と続けた。

 ライト氏は現役時代にMLB通算242本塁打の強打を誇った一方で、2度のゴールデングラブを受賞した名三塁手でもあった。だからこそ守備に強いこだわりがあるのかもしれない。

 そもそもライト氏の言うように今シーズンのリンドーアは遊撃手の守備で異彩を放った。151試合の守備機会で記録した守備率は.979、さらに同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べ、どれだけの失点を防いだかを表す指標『UZR』も3.5と抜群の安定感を誇ったのである。

 ゆえに「テレビで彼のプレーを見るだけでは、その素晴らしさは伝わらない」と訴えるライト氏は、こう続けている。

「彼がいかにスムーズで、信じられないほど難しいプレーをいとも簡単にこなしているか。オオタニは本当に凄いが、最も価値がある男を決める『MVP』においては、リンドーアを選ぶよ」

 一部では大谷の満票受賞が叫ばれる今季のMVP投票だが、果たしていかなる結末を迎えるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]