1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で起きた一家4人殺害事件のやり直しの裁判(再審)で、静岡地裁の無罪判決(求刑・死刑)を受けた袴田巌さんの姉・ひで子さんが30日、都内で記者会見に応じた。無罪判決を聞いた直後は「1時間くらい涙が止まらなかった」とコメント。58年目に勝ち取った無罪に対する万感の思いを口にした。

【映像】袴田事件、発生当時の様子

 ひで子さんは、無罪判決が出てから初の会見となったが、「もう(事件から)40年ぐらいまでは、日数なんて考えていなかったが、ここ10年の再審開始になって、その方がとても気になって長いように感じた」とし、「弁護士先生の皆様のお力、支援者の皆様のお力添え。本当にありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。

 また静岡地裁で無罪判決を聞いた瞬間は「裁判長さんが『被告人を無罪に』と言った時には、本当に嬉しいやら感激するやらで、涙がとめどなく出てきた。1時間ぐらい涙が止まらなかった。私は割合と涙には強い方で、こんな事件があったからめそめそしちゃいけないと思って我慢していたし、滅多に涙を見せることはなかったが、今回の裁判で無罪ということを聞いた時に、本当に嬉し涙が溢れて出てきた」と思いを語り続けていた。

 「袴田事件」は証拠の捏造などを理由に再審が行われ、静岡地裁で無罪判決。10月10日までに検察側が控訴しなければ、無罪が確定する。検察側が控訴する可能性について、ひで子さんは「したきゃすればいい」と語っていた。
(ABEMA NEWS)