「才能がない」と思っている人が、自分の才能に気づくために必要なこと

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SNSなどで「いいね」が可視化される昨今。仕事に活かせる能力が欲しい人や、特別な才能が欲しいと考えている人もいるのではないでしょうか。本記事では、ビジネス心理作家の神岡真司氏の著書『才能が見つからないまま大人になってしまった君へ』(ワニブックス:刊)より、あなたの中に眠っている新しい能力を見つける方法をご紹介します。

「速い」ことは、「優れている」こと

あなたは、スピードの速さを誇れるものを、自分の中にどのぐらいもっていますか。

• 数字に強く計算が速い。

• 文章をまとめるのが速い。

• パソコン操作が速い。

• しゃべるのが速い。

• 人を説得するのが速い。

• 本を読むのが速い。

• 計画し実行するのが速い。

スピードが速いのは、その分野でなんらかの才能が隠されているということです。

速くできるというのは、物事の本質をつかむのが速いからこそ実現します。どこにポイントを置き、どこを省略するか――といったコツを呑み込んでいるわけです。

• 計算が速いのは、数字の呑み込みが速く、その扱いが巧みなのです。

• 文章をまとめるのが速いのは、表現すべき本質をつかみ、文章構築が器用なのです。

• パソコン操作が速いのは、パソコンに精通し、機能の扱いに慣れているのです。

• しゃべるのが速いのは、表現のツボを心得、言葉の取り扱いに手馴れているのです。

• 人を説得するのが速いのは、理性と感情を巧みに操り、メリット強調がうまいのです。

• 本を読むのが速いのは、文脈処理に長けていて、ポイントをつかむ能力が高いのです。

• 計画し実行するのが速いのは、段取りの組み立てと優先順位付けが上手なのです。

スピードが速いというのは、効率がよいことを表わしています。スピードの遅い人よりも、格段に吸収力も高いのです。人より秀でた部分は、必ずなんらかの才能の裏付けがあるものなのです。

「速さ」が才能爆発の鍵

こうしたスピードの速さは、他人との比較で気づくことが多いでしょう。学校でかけっこをして、足の速い人は幼児の頃から足が速いのです。

たくさんの練習を積んだわけではなく、生まれつきの能力なのです。本能的に備わっているものには、なんらかの才能の脈があるはずです。

細菌学の研究者として著名な野口英世氏は、青年期の放蕩エピソードもユニークですが、その研究はスピード重視でした。膨大な論文やデータを収集し、驚異的なスピードで読み、想定実験を複数行い「実験マシーン」とまで称されます。これが後世の数々の業績につながっていきます。

昭和の宰相・田中角栄氏は、尋常高等小学校卒の学歴ながら、数字に強く、計算が速かったことで有名です。演説のときでも、東大卒の秀才官僚を前にしたときでも、数字データを挙げて抜群の説得力を発揮し「コンピューター付きブルドーザー」の異名さえありました。

【才能爆発のポイント】

人より、速くできるものに注目すべきです。あなたの才能は、そこに眠っている可能性大だからです。

人の気持ちを瞬時に汲み取り、気遣いや配慮に長けているというのも才能です。サービス向上のアイデアで、ライバルを出し抜く才能があるといえるでしょう。

自分が、他人よりスピードがある分野で才能を育めば、必ず才能は爆発させられるはずなのです。

「成功する人は動き続けている。間違いを犯すことはあっても、けっして立ち止まることはない」ヒルトンホテル創業者 コンラッド・ヒルトン

才能をふさぐのは、他人からの嫉妬

批判を受けるのは「嫉妬」「脅威」を与えている証拠です。人は、他人から批判されるのを嫌います。自分の存在を否定されたと思えるからです。

では、なぜ他人を批判するのでしょうか。それは、対象に嫉妬や脅威を感じるからなのです。

自分より、うまくいきそうな人を見ると、へこませてやりたくなったり、何か自分を不安にさせる未知のものを感じると、潰したくなる感情なのです。

今までにない斬新なもの、大胆なこと、不思議なことに遭遇すると人は驚きます。驚きの感情は、次の感情に移行する直前の初期反応で、本来は「中立」です。

心理学者のポール・エクマンは、「驚き」に続く「基本的感情」を次のように分類します。

「驚き」→「怒り」「恐怖」「喜び」「悲しみ」「嫌悪」「軽蔑」

感情は、他にも「後悔」「失望」「期待」……など、いくらでも細分化できます。

しかし、生存に直結する感情は「驚き」も含め7つとしたのです。そして「喜び」の感情以外は、すべて不快です。

「怒り」は敵と闘うための、「恐怖」は逃走のための、「悲しみ」は喪失したものの価値を計るための、「嫌悪」は汚物や危険を回避するための、「軽蔑」は集団行動の掟づくりに役立つ感情です。

「喜び」だけが、何かを獲得したときのうれしい感情なのです。

こうして人は、敵や自然界の脅威に対し、ネガティブに反応することで生き延びました。

他人から批判を受けたときは無視が正解です。言い返しても不毛な対立を生むだけです。むしろ、あなたが他人を批判しないようにすることのほうが大事なのです。嫉妬や脅威を抱くと、自分の信念が揺らぎ、不安と不快に苦しむからです。

漫画の神様とうたわれた手治虫氏でさえ、1960年代に入り、貸本漫画家が雑誌漫画界に大挙進出し、リアルな絵柄の「劇画ブーム」を起こした際には、嫉妬と脅威でスランプに陥ったと評されます。嫉妬や脅威は自分の才能を塞ぐだけなのです。

批判で落ち込むべきではない

他人を批判するのは、そこに嫉妬やなんらかの脅威を覚えるからです。嫉妬ゆえに攻撃したり、脅威ゆえに潰しにかかるのが、批判というものなのです。

文化や芸術を語るまでもなく、あらゆるものに批判はついて回ります。

印象派の画家ルノワールは当初、光と陰に彩られた人物の肌色表現を「腐った肉体のようだ」と酷評されましたが、のちに「見事な陰影の表現で、みずみずしい肌の質感を出すことに成功している」と世界中からの絶賛の声に変わっています。

100円ショップ「ダイソー」の創業者・矢野博丈さんは、当初は倒産した企業などから商品在庫を安く仕入れ、トラックの移動販売で起業しましたが、値札をつけるのが面倒なため、全品100円で販売していました。大手スーパーの担当者からは「そんなごちゃ交ぜの商品販売がうまくいくわけがない」と酷評されましたが、今日では大成功しています。

【才能爆発のポイント】

自分が好きでやっていること、やりたくてやっていること、楽しくてやっていることへの、他人からの批判があったとしても、落ち込むべきではありません。

むしろ、そこにはものすごい才能の萌芽があると考えるべきだからです。人は、脅威や嫉妬を感じると攻撃したくなります。自分よりすごい才能だからこそ、攻撃して潰してやりたいと思うのです。

批判されたらチャンスがあります。それをもっと磨き続ければ爆発させられます。

「憎しみは積極的な不満で、嫉妬は消極的な不満である。したがって嫉妬がすぐに憎しみに変わっても不思議ではない」ドイツの文豪・ゲーテ

神岡真司『才能が見つからないまま大人になってしまった君へ』(ワニブックス刊)

累計140万部を超えるベストセラー心理学著者が、才能を“爆発"させた成功者の共通点を大研究。

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