黒田剛はリーグ戦への戦いに気持ちを切り替えた【写真:(C) FCMZ】

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ルヴァン杯準々決勝第2戦で新潟に2-0勝利も、第1戦との合計スコアで敗退

 FC町田ゼルビアは9月8日にルヴァンカップ準々決勝第2戦でアルビレックス新潟と対戦し、2-0で勝利した。

 第1戦を0-5で落としていたため、2試合合計2-5でルヴァン杯は敗退となったが、黒田剛監督は「ここからがスタートだと思って、(天皇杯とルヴァン杯の)2つの大会を失ってしまったが、最後の9試合のために失ったと言い聞かせてやっていければ」と、J1リーグ戦への戦いに気持ちを切り替えた。

 この試合、黒田監督は40歳のFW中島裕希を先発に抜擢。チーム最年長が最前線で見せるプレーに引っ張られるように、チームは懸命に戦った。冒頭のコメントの前に、指揮官は「5点という差は、なかなかひっくり返すのが難しかったですが、しっかりホームで勝って次につなげようと。次のリーグ戦である福岡戦、ここにすべての気持ちを持っていけるよう、できるだけクリーンシートで勝って終わりたいという思いで、ピッチの選手たちは頑張ってくれたと思います」と言い、「これから代表で欠けた5名が戻り、怪我で離脱していた選手たちが戻り、また新しい競争で次の福岡戦にチャレンジできることを嬉しく思います」と話し、直近のリーグ戦で首位から陥落し、準々決勝第1戦で0-5という大敗を喫したチームが、この勝利からJ1優勝に向けて再出発を図ることを強調した。

 今季の残り試合にとっても大きな意味を持つ一戦だったかもしれないが、同時にクラブにとって来季にもつながる勝利である可能性を黒田監督は指摘した。黒田監督が率いた町田は、昨季J2優勝を果たしたが新潟との相性は悪く、これまで一度も勝利できていなかった。

 新潟戦初勝利の感想を求められた黒田監督は、「去年から3試合、勝つことができなかった相手でしたし、このまま勝てないでシーズンを終わってしまうと、ずっと苦手意識を持ったまま、シーズンを終えてしまう。そうなると来年以降も、トラウマになることがよぎるような関係性ができてしまうかなというところでもありました」と、チームに苦手意識を植え付けずに済んだことを強調した。

 そして「ただ、我々は引かずに前から出て行って、彼らの長所、ストロングを阻止する。これでできなければ、また考えなければいけませんでしたが、最後にチャレンジした彼らの勇姿は一番ハマっていたと思います。欲を言えば、これが第1戦からできていればという後悔はありますが、その意味ではフィットして選手たちがトレーニングでやってきたことをしっかり実行してくれた結果が2-0という結果だったので、今後につながるいい結果で終わったと思います」と、自分たちのやるべきことを再確認できた一戦になったと繰り返した。(河合 拓 / Taku Kawai)