熱き指揮官コンテ。今季からナポリを率いる。(C)Getty Images

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 現地時間8月31日に開催されたセリエA第3節で、アントニオ・コンテ監督が率いるナポリは、昇格組のパルマとホームで対戦。19分にPKで先制を許したものの、11分と表示された後半アディショナルタイムにロメル・ルカク、アンドレ・アンギサがゴールを奪い、2−1で逆転勝利を収めた。

 劇的展開の大きなきっかけとなったのが、相手GK鈴木彩艶のプレーだ。

 63分に遅延行為で警告を受けていた日本代表守護神は73分、ペナルティエリアの外でハイキックをしてボールをクリアした後、敵と激突。これによって2枚目のイエローカードで退場となり、ナポリは数的有利に。しかもパルマはすでに交代枠を使い切っていたため、DFのエンリコ・デル・プラートがGKを務める緊急事態となったのだ。

 現地紙『Gazzetta dello Sport』によれば、コンテ監督はこう振り返った。

「ロメルが得点した際は、まだ11分残っていて、勝つ時間があったので、すぐにボールを中央に置けと言ったよ。フィジカルが強く、プレッシャーをかけられてもゴールを奪える非常に優れたチームに対して、気持ちのこもったパフォーマンスだった。もちろん、失点についてはもっと上手くやれたはずだが、馬鹿げたフットボール市場の後にやるべきことがあると十分に理解したうえで、この勝点3を手にした」
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 馬鹿げたフットボール市場――。今季から母国イタリアで再び指揮を執る闘将は、シーズンが始まってもなお、移籍市場が開かれている状況に、強い疑問を感じているようだ。

「リーグが進行している状態で交渉を完了させるなんて不可能だ。退団する選手をトレーニングする一方で、どんなコンディションで来るか分からない選手を待つ羽目にもなる。不合理なルールで、変える必要がある。

 ベンチには中盤の選手がいないから、誰も怪我しないように祈っていたよ。リーグが始まる前に市場は閉じなければならない」

 歴史的なスクデット獲得から一転、昨季は屈辱の10位に沈んだナポリ。新監督コンテ、新主砲ルカクを擁し、タイトル奪還を果たせるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部