司法省がGoogleを独占禁止法違反で訴えていた裁判で、コロンビア特別区連邦地方裁判所のアミット・P・メータ判事は、「Googleの行為は一般検索サービスおよび一般検索テキスト広告の独占にあたる」として、Googleが独占禁止法に違反しているという判決を下しました。司法省の主張がすべて認められたわけではないものの、「Googleが独占的地位を維持するために立場を乱用した」という見解は画期的なものだと評価されています。

Case 1:20-cv-03010-APM Document 1033 Filed 08/05/24

(PDFファイル)https://storage.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.dcd.223205/gov.uscourts.dcd.223205.1033.0_2.pdf



Google (GOOGL) Loses DOJ Antitrust Suit Over Search Engine on Phone Browsers - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-08-05/google-loses-doj-antitrust-suit-over-search



Judge rules that Google ‘is a monopolist’ in US antitrust case - The Verge

https://www.theverge.com/2024/8/5/24155520/judge-rules-on-us-doj-v-google-antitrust-search-suit

Google violated antitrust law to maintain search monopoly, judge rules

https://www.axios.com/2024/08/05/google-antitrust-lawsuit-monopoly

この裁判は2020年10月、「Googleが検索及び検索広告市場において、反競争的で排他的な慣行を通じた独占状態を違法に維持していることを阻止し、競争上の害を是正するため、コロンビア特別区連邦地方裁判所に民事独占禁止法違反訴訟を提起した」として、司法省がアーカンソー州やフロリダ州など11の州とともにGoogleを訴えていたものです。

Googleが「独占禁止法違反」で司法省から提訴される - GIGAZINE



by Thomas Hawk

コロンビア特別区連邦地方裁判所のアミット・P・メータ判事は、司法省などによる「Googleが広告市場の特定の部分を独占している」という主張については認めなかったものの、「一般の検索サービスおよび一般検索テキスト広告を独占し、ライバル企業による競争機会を阻害している」という主張、および「スマートフォンの検索エンジンの初期設定をGoogleにしてもらうために260億ドル(約37兆7200億円)支払ったことは、競合他社の市場での成長を阻害するもの」という主張は認めました。

Googleは、過去数十年にわたってAppleやSamsungに数兆円の支払いを行い、スマートフォンやウェブブラウザで「一番いい場所」を確保することによって「最も使われている検索エンジン」の立場を構築し、主に検索広告によって生み出される年間3000億ドル(約435兆円)以上の売上高を得てきたとのこと。

Appleは「Google検索を採用する代金」としてGoogleから年間3兆円を受け取っている - GIGAZINE



メータ判事は、Googleがスマートフォンやウェブブラウザの広告配信サービスの大部分を独占することで、他から影響を受けることなく、広告価格を引き上げることができたと指摘しています。

メリック・ガーランド司法長官はこの判決について「Googleに対するこの勝利は、アメリカ国民にとって歴史的なものです。いかなる企業も、その規模や影響力の大きさにかかわらず、法を超越することはできません。司法省は、引き続き独占禁止法を積極的に執行してきます」と述べました。

検索エンジン・DuckDuckGoは判決を称賛した上で、Googleは対策のためなら何でもするのでまだまだ道のりは長く、戦いは終わっていないと述べました。





なお、Googleは控訴する方針で、国際情勢担当プレジデントのケント・ウォーカー氏は「裁判を継続しつつ、我々は人々が便利で使いやすいと感じる製品を作ることに集中します」と述べています。