北川望歩容疑者(本人のXより)

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 十月十日(とつきとおか)と言われる妊娠期間は、実際には約280日、40週程度とされる。

 生後間もない男児を遺棄したとして、警視庁が今月3日に殺人未遂の疑いで逮捕した北川望歩(のあ)容疑者(22)。赤ちゃんの身長は約50センチ、体重が約2886グラム。彼女の妊娠期間は39週前後だったという。

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「6月20日の早朝、北川容疑者は、東京都練馬区内のマンションの風呂場で出産。そしてすぐに、マンション隣のアパート敷地内に赤ちゃんを捨てたとされます」

 とは、警視庁担当記者。

「容疑が保護責任者遺棄ではなく殺人未遂なのは、北川容疑者が、赤ちゃんが死亡する可能性を容認していたとみられるためです。へその緒がついたままの赤ちゃんはタオルと一緒にビニール袋に入れられ、深さ60センチのふた付きごみに遺棄されていた。当日はごみ収集がない日だったので、放置されていました」

北川望歩容疑者(本人のXより)

不可解な供述

 約12時間後の午後6時半。泣き声に気付いたアパート住人が110番通報し、赤ちゃんは命を落とさずに済んだ。

「発見時は貧血状態でしたが命に別条はなく、入院中のいまも健康状態に問題はありません。一方、北川容疑者は殺意を否認しているものの、供述内容や彼女を取り巻く状況は不可解なことばかり。“出産したことがバレたくないと思い、捨てた”“妊娠した確信がなく、一度も病院に行っていない”といった供述をはじめ、赤ちゃんの父親に関する話も曖昧なのです」

 しかも彼女は出産したマンションの一室で共同生活を送っていた。その生活は出産からおよそ39週前、昨年9月ごろに始まっていたのである。

同居人は“自分は赤ちゃんの父親ではない”

 北川容疑者が暮らしていたのは、家賃が8万円台で居室が7畳ほどの1K。先の記者によると部屋の契約者は20代の男性で、

「北川容疑者以外に、20代女性2名も同じ部屋に同居。男女4人で生活していました。男性は警視庁に、“自分は赤ちゃんの父親ではない”“女性らは男性地下アイドルの追っかけをしていて知り合った。恋愛感情はない”と説明しています」

 北川容疑者はもともと関西圏に住んでいたが、

「男性から“推し活”で何度も上京するのは大変だからと同居を勧められ、昨年秋ごろに転がりこんだ。つまり、彼女の妊娠と共同生活の期間はほぼかぶるのです」

 奇妙な共同生活を送る4人が夢中になっていたのは、“メン地下”の4人組グループ「ウェブネス」。

推し活に月100万円

 とりわけ、仲間内で「のあち」と呼ばれた北川容疑者の入れ揚げ方はすさまじく、

「のあちがライブやグッズ、“推しメン”との写真にかけるお金は月に100万円は下らなかったと思います」

 と、彼女の知人が明かす。

「ウェブネスのデビューは昨年8月ですが、のあちは、推しメンが前のグループに所属していた頃からのファン。ウェブネスデビュー後のライブは皆勤賞で、1枚1000円する推しメンとの2ショット写真も数十枚撮り、毎回大量にSNSに上げていた。あまりにお金を使うので、“どうせパパ活で稼いでいるんでしょ”とねたまれていたほどです」

 事件を受け、ねたみはさげすみに変わり――。

「実は、この7月でウェブネスは解散します。のあちは自分の逮捕より、7月13日の解散ライブに行けないことのほうがショックなんじゃないですか」

 留置施設にいる北川容疑者の頭の中を占めているのは、わが子か、推しメンか。

「週刊新潮」2024年7月18日号 掲載