『マダム・ウェブ』予告編を徹底考察 ─ スパイダーマンの運命が変わる? エゼキエルの正体がヤバすぎる説
『スパイダーマン』『ヴェノム』シリーズのソニー・ピクチャーズが新たに放つ映画『マダム・ウェブ』は、マーベル初の本格ミステリー・サスペンスとされる異色作だ。原作コミックでは未来予知でスパイダーマンを救う重要キャラクターとして登場するマダム・ウェブの誕生を描いた作品だが、公開された予告編からはどのようにスパイダーマンに繋がるのか、よくわからない。
そこでこの記事では、一見しただけでは伝わりにくい『スパイダーマン』ネタがいくつも隠されていることを解説する。その内容を紐解いていくと、衝撃的な可能性が明らかになって……。
実はこの『マダム・ウェブ』、『スパイダーマン』映画シリーズを根底からひっくり返す超アメイジングな重要作品かもしれないのだ。1万字かけて、たっぷり論じよう。
この記事で論じられる内容は、全て仮説です。映画『マダム・ウェブ』の内容を保証するものではありません。これらの仮説は正しいかもしれませんし、間違っているかもしれません。あくまでも考察としてお楽しみください。
『マダム・ウェブ』予告編に隠された「細かすぎて伝わらない」スパイダーマンネタこの『マダム・ウェブ』予告編映像、実は冒頭でいきなりスパイダーマンを連想させる小ネタが登場している。主人公のキャシー・ウェブ(ダコタ・ジョンソン)が「4 Star」のネオンが輝くダイナーに入店するシーンだ。この「4 Star」とは、原作コミック『Amazing Spider-Man』でピーター・パーカーが溜まり場とした店である。
ピーター・パーカーにとっても馴染みになる?「4 Star Diner」 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti映像を見進めると、年内は学生たちで繁盛している。バスケットボールのTシャツを着ている学生たちの姿があるが、シャツには「Midtown Highschool」とプリントされている。ミッドタウン高校……、そう、ピーターの母校だ。
ちなみにこのシーンでは、イザベラ・メルセドが演じるアーニャ・コラソンの黄色いTシャツに「I Eat Math for breakfast」と書かれている。「数学なんて朝飯前」という意味だ。理系オタクのピーター・パーカーへのさりげないオマージュだろう。
Tシャツにもさりげないヒントが…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti店内には謎めいた黒いスパイダーマンのような人物が現れ、主人公や少女たちを次々と襲っていく。ナイフでひと突きにされたと思った次の瞬間、キャシーは店の前にもう一度戻っているのだが……。不可解な映像だが、ひとまず次に進もう。
お馴染みのMARVELロゴに続いて描かれるのは、「1週間前」、救命士であるキャシーが橋上の事故現場に駆けつけた様子だ。キャシーはひっくり返った乗用車のドライバーを救い出すのだが、自身は車内に閉じ込められ、そのまま川に落下してしまう。
「橋の上」「落ちそうな乗客」……ピンと来ないだろうか?これは『スパイダーマン』映画でお決まりの展開だ!
サム・ライミ版『スパイダーマン』(2002)では、グリーンゴブリンが子供たちの乗ったゴンドラとMJを端から落下させ、スパイダーマンはその両者を救った。そして『アメイジング・スパイダーマン』(2012)では、リザードの襲撃によって橋の外に投げ出されたいくつもの車両をクモ糸で吊るして次々と助けている。さらに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも、ドクター・オクトパスによって放り投げられた車両をクモ糸で助けた。
この伝統が『マダム・ウェブ』にも引き継がれたということは、『スパイダーマン』サーガにまつわる<運命>めいたものがあるに違いない。ただし今作のキャシーの場合、自分は落下しているというのが、他のスパイダーマンとは違うところだ。
さらに興味深い説がある。このシーンでキャシーと一緒に救出にあたった男性救命士、実はピーターの叔父であるベン・パーカーの若き日ではないか?という噂があるのだ。はっきりした真偽は定かではないが……。
ベン・パーカーの若い頃の可能性? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti続く映像にも注意してほしい。本作の主人公キャシーには未来予知能力が備わるというのだが、ここで水中に沈むキャシーが一瞬だけ謎の“ビジョン”を見ている。水の中から赤ん坊を抱き上げる映像で、これはおそらく誰かの出産の瞬間だろう。そして意味深なことに、画面の左側に、スパイダーマンのスーツによく似た赤と黒の布のような“何か”が見える。
この赤ん坊は誰なのか?もしかしたら、これはピーター・パーカー誕生シーンではないか?キャシーは、この世界の<運命>を変えるピーターの誕生を予知したのだろうか?だとすれば、左側のスパイダーマンらしき“何か”は一体なんなのか……?
この出産シーンは一体…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiとにかく、引き続き映像を見ていこう。ベン・パーカー(かもしれない男)に助けられ、死の淵から生還したキャシーは、どうやらこの時に予知能力が覚醒したらしい。続くシーンでは、別の事故現場でキャシーが負傷者の心臓マッサージを行っている。しかし、不可解な“ビジョン”によって、キャシーには二通りの負傷者が見えている。(1)蛍光イエローのベストを着た男性と、(2)出血した別の救急隊員の男性だ。
おそらく、実際には(2)救急隊員が事故にあったのだろう。それでは、先にチラリと登場した(1)ベストを着た人物は誰なのか?この男性、どことなくベン・パーカー(かもしれない)役のアダム・スコットに見えなくもない。もしかするとキャシーは、ベンが死亡する未来を予知していたのだろうか?つまり、将来ピーター・パーカーに降りかかる<運命>の一部始終を?
この男性はいったい誰なのか? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti続く場面では、キャシーが地下鉄に乗っている。そこにエゼキエル・シムズ(タハール・ラヒム)という謎の男が車両に現れると、キャシーは男が乗客を次々と襲うビジョンを予知する。これが、冒頭に登場した黒いスパイダーマンのような男の正体である。キャシーは、車両に居合わせた3人の少女を連れて逃げ出すと、森の中で「未来が見える」と打ち明ける。
何故かキャシーたちを襲うエゼキエル・シムズ 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiキャシーの説明によれば、謎の男エゼキエルは、彼女の母コンスタンスと共にかつてアマゾンでクモの研究をしていたそうだ。2人が映った写真の裏には、「コンスタンス/エゼキエル ペルー アマゾン、1973」とメモ書きされている。蜘蛛の巣に向かってカメラを構える姿はピーターを彷彿とさせるようだ。
「コンスタンス/エゼキエル ペルー アマゾン、1973」 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiさらに森の中の会話を聞き進めると、どうやらキャシーはこの3人の少女たちと元々接点があったらしい。アーニャはアパートの同居人で、ジュリア・カーペンター(シドニー・スウィーニー)はキャシーと病院で居合わせ、そしてマティ・フランクリン(セレステ・オコナー)は一度車で轢きそうになったことがあったのだ。この4人、<運命>の糸で繋がっていたということである。
そして映像の終盤には、少女3人がスーパーヒーローのような姿に変身している。それぞれスパイダーウーマンとアラナで、いわば「女性版スパイダーマン」だ。ちなみに、アラナは原作コミックでスパイダーガールと名乗っている。
まるで別人?3人の少女がスーパーヒーローに 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti映像後半では、「未来を変えようとしている」「本当は違う未来だった」という意味深なセリフと共に、キャシーが未来予知能力を覚醒させてエゼキエルと戦うスリリングな映像が続く。
意味深な映像も混じっている。2:46では、ペプシコーラのネオン看板から「P」だけが落下している。このPは、ピーター・パーカー(Peter Parker)のことを暗示しているのではないか?ピーターといえば、恋人を転落事故によって失うという<運命>。落下するPのサイン、めちゃくちゃ縁起が悪いぞ……。
落下する「P」は何を暗示しているのか…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiこのように『マダム・ウェブ』は、スパイダーマンやピーター・パーカーにつながる隠れた描写がいくつも潜んでいる。やはり、『スパイダーマン』サーガに深く関わる作品なのではないか?考察を進めていくと、今後のユニバースに極めて重大な影響を及ぼすかもしれない“とんでもない可能性”にぶち当たってしまった。まぁ、順番に説明するから、落ち着いて聞いてほしい……。
この記事で論じられる内容は、全て仮説です。映画『マダム・ウェブ』の内容を保証するものではありません。これらの仮説は正しいかもしれませんし、間違っているかもしれません。あくまでも考察としてお楽しみください。
『マダム・ウェブ』舞台は2000年代?まず重要なポイントとなるのが、この映画の舞台が2000年代っぽいということだ。0:58のパソコンが明らかに旧型であることや、1:09の地下鉄の男性が持っているゲーム機がPSPであることから推測できる。地下鉄の乗客も、誰ひとりとしてスマホをいじっていない。それから、車内に「IF YOU SEE SOMETHING, SAY SOMETHING(不審物を見かけたらお声がけください)」という広告が掲出されているが、これは実際に2001年の同時多発テロ事件後にニューヨーク州と市交通局が商標登録したスローガンだ(と言うことは、この世界は911テロが起こった世界なのかもしれない)。
PSPで遊ぶ男性。2000年代か? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti『マダム・ウェブ』の物語が2000年代、つまり、現在のタイムラインから約20年前の出来事だと仮定すれば、この映画に若きベン・パーカーが登場したり、ピーター・パーカーの出生が描かれたりすることは理にかなっている。そこで考察のポイントとなるのが、エゼキエルの正体だ。
エゼキエルの正体説①:彼はピーター・パーカー誕生を止めに未来から来たまず注目したいのは、キャシーが見た出産のビジョン。これがピーター・パーカー誕生の瞬間を示しているのだとして、恐るべきヴィランのエゼキエルがこれを阻止しようとする、というのはどうだろう。
エゼキエルは、キャシーの母コンスタンスとクモ研究をしていた1973年の回想と、劇中の現在(2000年代)の両方に登場するが、あまり歳をとっているように見えない。さらに予告編では白髪姿も描かれており、これは彼の未来の姿と考えられる。
3つの時代のエゼキエル 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiつまりエゼキエルは、1973年と2000年代、そして未来(2020年代?)の3つの時代を、何らかの方法によって行き来しているか、あるいは時間を超越した存在ということではないか。そしてピーター・パーカーは、将来ある時点でエゼキエルにとっての脅威になるのだ。未来のエゼキエルが何らかの計画を実行しようとしたところ、スパイダーマンに阻止されてしまう。何度戦ってもスパイダーマンを倒すことができないと悟ったエゼキエルは、ピーター・パーカー誕生以前にまでタイムスリップして、彼の存在ごと抹消しようと企んでいるということだ。『ターミネーター』で、未来の英雄ジョン・コナーを抹殺するために、サラ・コナー殺害を使命とするターミネーターが過去に送り込まれたような展開である。
そうであれば、エゼキエルはピーターの母親を探して、ニューヨークを手当たり次第襲っているのかもしれない。冒頭に登場したダイナーでの描写から、主な舞台はミッドタウン高校からの行動圏内、つまりピーターの地元クイーンズである可能性が高い。エゼキエルは、ピーターの母はクイーンズにいるという目星をつけて、人々を襲っているということだ。そして、未来予知能力を得たキャシーがその企みに気づき、3人の若き少女と共にエゼキエルを止めようとしているのではないか?
エゼキエルの正体説②:彼は未来のスパイダーマンで、闇落ちしている続いての説は、エゼキエルはこの世界の未来における正真正銘のスパイダーマンであり、何らかの出来事によって“闇落ち”していたという説だ。
振り返ってみれば、『アメイジング・スパイダーマン』のピーター()も闇落ちしかけていた経緯がある。彼は恋人グウェンを失ったことで自暴自棄になり、『ノー・ウェイ・ホーム』劇中では「気がつくと(悪人に)容赦をしなくなった。怒りに満ちて、冷酷になった」と語っている。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』で語られたように、全てのスパイダーマンは大切な者を失う<運命>から逃れられない。『マダム・ウェブ』の世界におけるスパイダーマンであるエゼキエルにも辛い出来事が起こったのだが、その<運命>を受け入れられずに闇落ちしていたとしたら?ある時、彼は過去に戻る方法を確立し、これから起こる残酷な<運命>を未然に防ごうとするのでは?もしもその<運命>に、3人の少女が関わっていたら?キャシーは未来を変えようとするエゼキエルを危険視し、彼を止めようとする。一方、エゼキエルも必死なので、自分を邪魔しようとするキャシーたちと戦わなければならない……。
エゼキエルの正体説③:彼は3人の少女の運命を変えにきたところで説①と説②では、エゼキエルが3人の少女にこだわる根拠が弱い。この予告編でエゼキエルは、明らかにジュリア、マティ、アーニャの少女3人をつけ狙っている。その理由を推理するにあたって、ポイントとなりそうなのが「彼女たちには 秘密がある」というセリフだ。
意味深なセリフだが…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti映像の2:12では、ジュリアとマティがそれぞれスパイダーウーマンに、そしてアーニャはアラナという名のスーパーヒーローに変身している。さらに2:17では、白髪姿のエゼキエルが何かに手をかけようとするところを、ジュリアがウェブ状のエネルギー波で止めようとしている。2:33では、ビルの壁に張り付くエゼキエルにマティが飛びかかり、首を締めているようにも見える。
少女たちは、映像の大部分で描かれる主たる時間軸(2000年代)では降りかかる出来事に振り回されているが、ヒーロー姿になると、ある程度の自信と経験を有しているように見える。つまり、少女たちは将来のある時点でスーパーヒーローと化して活動するということだ。また、白髪姿のエゼキエルを相手にしていることからも、未来の出来事なのだと推測できる。
さて、「彼女たちには 秘密がある」というセリフをどう解釈するかである。「彼女たちには 秘密がある」というセリフは、原語では“You have no idea what those girls become."というもので、直訳すると「あの子たちがどうなるのか、お前にはわかるまい」というものだ。一体、彼女たちはどんな存在に“なる(become)”のだろうか?
可能性のひとつは、何らかの脅威となってしまうことだ。例えば、マルチバースの扉を開いて多元宇宙の脅威を招き入れてしまったピーター・パーカー(『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』)や、スパイダーマンの<運命>に抗おうとしてスパイダー・ソサエティに大混乱を起こしたマイルズ・モラレス(『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』)と、クモのヒーローは時として大問題を起こしてしまうことがある。
考えられるのは、スパイダーウーマンやアラナとなった3人の少女たちが将来とんでもない事態を巻き起こしてしまい、取り返しがつかなくなってしまうという展開。そこでエゼキエルが事態の収拾を図るために現在に現れ、彼女たちがスーパーパワーを得る<運命>を変えようとしているのではないだろうか。
エゼキエルの正体説④:彼はヴィランでなくヒーローで、警告のために現れた今度は、「あの子たちがどうなるのか、お前にはわかるまい」というセリフを別の形で解釈しながら考えたい。少女たちがエゼキエルにとっての脅威や、厄介な存在になるのではなく、正義のヒーローになるということを、彼がキャシーに説いているという考え方だ。
おそらくこれは非常に重要なヒントなのだが、原作コミックでエゼキエルはヴィランではなく、むしろ味方なのである。つまり『マダム・ウェブ』のエゼキエルは、少女たちを助けるために、あるいは警告を与えるために、未来から送り込まれた使者なのではないか?今度は『ターミネーター2』、ジョン・コナーを守るためにやってきたT-800のように?
少しだけ原作コミックの設定を紹介したい。映画『スパイダーバース』シリーズでも描かれたことだが、コミックにおけるいくつものマルチバースの各世界には、クモの能力を持つ選ばれし者たちが何人も存在している。彼らは“ウェブ・オブ・ライフ・アンド・デスティニー”という精神ネットワークで繋がっているのだ。彼らの世界には、人間と動物を結びつける“トーテム”と呼ばれる超自然的な存在があり、スパイダーマンのようなクモの能力や外見を持つ者たちは“スパイダー・トーテム”と呼ばれる。ある時、トーテムを食い荒らす邪悪な捕食者「モールン」が現れ、さまざまな世界のスパイダー・トーテムたち、つまりスパイダーマンたちが次々と狙われていった。
原作コミックのエゼキエルは、スパイダーマンとよく似た能力を持つスパイダー・トーテムであり、映画『スパイダーバース』シリーズでも描かれたスパイダー・ソサエティ(異世界のスパイダーマンたちからなる組織)の一員である。エゼキエルはピーターの元に現れると、スパイダーマンの能力は放射線を浴びたクモ(=科学)によって授けられたものではなく、トーテム(=非科学、超自然)によるものなのだと説き、捕食者モールンの襲来からピーターを助けようとする。
もしも『マダム・ウェブ』が原作を踏襲するなら、こういうことになる。エゼキエルはヴィランではなく、スパイダー・ソサエティから送り込まれたヒーローなのだ!真のヴィランは別にいる!全スパイダーマンを狙う、捕食者モールンのような存在が!エゼキエルは、そのことを警告しに現れ、キャシーやスパイダーウーマンたちを守りに来たのではないだろうか?
これはソニー・ピクチャーズの『スパイダーマン』シリーズに重大な影響を及ぼすかもしれない。MCUにおけるサノスやのように、SSUにも全ユニバースにとって脅威となる独自のラスボス的ヴィランが別に存在するかもしれない、ということだ!
そしてエゼキエルは、少女たちが近い将来ヒーローになること、そのせいで真のヴィランに命を狙われることを知っている。だから彼は少女たちを死の<運命>から逃れさせるため、彼女たちに警告や稽古を与えたり、あるいはスーパーパワーを得るという未来を変えようとしているのではないか?
しかし、そのことを理解しないキャシーからすれば、いきなり現れた男が少女たちを攻撃するようにしか見えない。そこでキャシーが説得を試みたところ、エゼキエルがこう言うわけだ。「あの子たちがどうなるのか、お前にはわかるまい」と。
エゼキエルの正体説⑤:彼はピーター死亡の<運命>を変えるために未来から来たもうひとつ、大胆な説を唱えるとしたい。エゼキエルは“ピーター・パーカーが誕生しない”という<運命>を変えるために現れたのではないかという説だ。
先述したように、予告編映像ではキャシーが「赤ん坊を産む女性」のビジョンを見ている。しかし、この赤ん坊は産声をあげているようには見えない。とても辛いことではあるが、この赤ん坊は死産となってしまったのではないか(落下するPのサインは、そのことを暗示している?)。つまり、ここは「ピーター・パーカーが生きられず、スパイダーマンが誕生しない世界線」の可能性がある。
もしかすると、この世界にスパイダーマンが誕生しなかったことが、未来の世界に何らかの悪影響を及ぼしていたのでは。そこでスパイダー・ソサエティからの使者であるエゼキエルは、2000年代に戻ってピーターと母の<運命>を変えるという禁断技を試みているのではないか。だから予告編映像内で、彼は「未来を変えようとしている」と言われているのだ。
この記事で論じられる内容は、全て仮説です。映画『マダム・ウェブ』の内容を保証するものではありません。これらの仮説は正しいかもしれませんし、間違っているかもしれません。あくまでも考察としてお楽しみください。
予告編でエゼキエルと戦っているように見えるのはフェイクなのかも?そうは言っても、明らかにエゼキエルはキャシーと少女たちを襲っているではないか。いったい、彼がどうしてヒーローになり得るのか?物語の後半で、改心するとでもいうのか?
いいや、もしかすると、予告編映像は全て視覚トリックなのかもしれない。冷静にシーンを分析してみよう。冒頭のダイナー襲撃シーンはまだキャシーのビジョン内でしか起こっていないはずなので、現実に発生する確証はない。同じように、地下鉄の乗客を襲うシーンもビジョンでの出来事。続いてホームで駅員を襲うのも、キャシーのビジョンである可能性がある。例えば、キャシーの予知能力はまだ完全なものではないので、間違った未来を見ることもある、と仮定しておこう。
敵か味方か? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti終盤の夜の街のシーンでは、エゼキエルが出現したことによって混乱が生じているように見えるが、カット間の明確なつながりは不明。火花が爆発する倉庫をエゼキエルが大ジャンプする場面では、直後にキャシーたちが「逃げて!」と走るカットが挿入されているが、だからといって彼女たちが本当にエゼキエルから逃れようとしているとは限らない。実はそこに何か別の脅威が存在し、エゼキエルはそれと戦っている可能性だってある。
また、エゼキエルが走行中の車両に次々飛び移り、キャシーが予知能力を覚醒させて反撃のタイミングを見計らうシーンにも注目だ。この予告編映像では、エゼキエルがキャシーたちの車両に飛び乗るタイミングを見極めて、車内から天井に心肺蘇生器で攻撃を加えたように見える。直後には空に向かって火花が伸びるカットが続くが、これは全く別の場面。キャシーたちが何を相手に戦ったり逃げたりしているのかは、実はよくわからないのだ。
車内から上方に攻撃を加えるが…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti 続くカットは全く別の場面 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiさらに、2:45ではアラナが何かを投擲して、直後にエゼキエルが受け流す様子が見られるのだが、細かく観察すると、アラナが投げているのはシャンパンのボトルのようなもの。一方のエゼキエルが受けているのは火球のようなものであり、おそらくこの二つのシーンは繋がっていない。
投げられたのはシャンパンボトルだが…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti エゼキエルが受けているのは全く別のモノ 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiやはり、彼女たちがエゼキエルと戦っているように見えるのは、予告編の編集トリックによるものではないか?そもそも、彼がスパイダーマンに良く似たコスチュームを着ていることに、“大人の事情”を絡めて再考してほしい。製作のソニー・ピクチャーズにとって、スパイダーマンは自社を代表する大事な看板役者である。そんなスパイディを、悪人として描くことがあるだろうか?ディズニーがミッキーマウスを、任天堂がマリオを悪者にすることは絶対にないのと同じである。それに、これまでのスパイダーマン作品を思い返せば、ソニー・ピクチャーズがこのキャラクターに込めた愛情は紛れもなく本物だろう。どうも筆者には、彼らが「スパイダーマンの姿をしたヴィラン」を描きたいと考えたとは、到底思えない。
それから、このポスターデザインを見てほしい。何かがおかしいと思わないだろうか?
© & 2024 MARVELこういうポスターではたいていの場合、悪役はヒーローたちから離れ、空間を支配するように背景に位置していたり、あるいはヒーローと対立するように配置されるものではないか?それではどうして、このポスターでエゼキエルは、他のヒーローたちと並んで配置されているのか?彼はキャシーたちに対して異質な存在ではなく、むしろスパイダー・ソサエティの<運命>で繋がれた同志であることを暗示しているのではないだろうか?
マダム・ウェブが今後の作品でオビ=ワン・ケノービのようになる説ところでマダム・ウェブは原作コミックでは盲目の老婆として知られており、ハッキリ言って、ヴェノムなどと違って単独映画化されるような人気キャラクターというわけでもない。
ヒーロー映画疲れが叫ばれるこのタイミングで、どうしてソニー・ピクチャーズはわざわざこの知名度の低いキャラクターを単独映画化するリスクに挑む必要があったのか?それは、今後の作品でピーター・パーカーたちを見守る重要な「ガイド役」を用意したかったからではないか。
今後の作品にも登場する?キャシー・ウェブ 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmetiキャシー役のダコタ・ジョンソンは1989年生まれの現在34歳。キャシーの年齢設定は不明だが、今後の映画で2000年代から2020年代に20年分タイムジャンプするとすれば、だいたい50代か60歳前後とすることができる。老婆というにはまだまだ若いが、原作設定をいくらか踏襲することができるだろう。
もしも『マダム・ウェブ』でピーター・パーカー誕生を描き、キャシーが「この子はこれから私が見守ります」的なことを言うとしたら?『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でルーク・スカイウォーカー出産に立ち会い、『エピソード4/新たなる希望』に至るまで密かに成長を見守ったオビ=ワン・ケノービ的な立ち位置になるのではないか?ある日、成長したピーターの元に歳を重ねたキャシーが現れ、「ピーター、あなたの<運命>の真実を教えましょう」的なセリフを言って、彼をスパイダーバースに誘うなんて展開はありそうではないか?
ソニー・ピクチャーズはこれまで、トニー・スタークやドクター・ストレンジといった指南役を、MCU版ピーターに組み合わせてきた。しかし彼らはマーベル・スタジオが権利を有するキャラクターなので、自社の範疇で自由に扱える人物が欲しかった。それも、ピーター・B・パーカーやミゲル・オハラたちとは全く属性が異なる人物を、である。そこで彼らは、まず「若きマダム・ウェブ」を単独映画で紹介し、観客からの信頼を与えてから、後の大型作品に誘う役割を与えようとしているのではないか。
エゼキエルが今後のドラマやスパイダー・ソサエティ実写化にも繋がる説さらに深く考察すると、ソニー・ピクチャーズが『マダム・ウェブ』で紹介したかった「もう1人の重要人物」が見えてくる。それは、やはりエゼキエルである。
原作コミックでエゼキエルは、シンディ・ムーンという学生の存在を捕食者モールンに知らせまいと、彼女の両親を説得し、10年間近く地下室に閉じ込めて護っていた。そのシンディ・ムーンというのが、後のシルクである!ピーター・パーカーと同じクモに噛まれ、スパイダーマンと同等の能力を備えることになった女性スーパーヒーローだ。
実はこのシルク、ソニー・ピクチャーズによるSSU初の実写ドラマシリーズの主人公になることが決定しているのだ。その名も「シルク:スパイダー・ソサエティ(原題)」。お分かりいただけただろうか……。“スパイダー・ソサエティ”!
やっぱりエゼキエルはスパイダー・ソサエティから送り込まれた使者なのであり、本作『マダム・ウェブ』で描かれる出来事がドラマ「シルク」にも繋がって、スパイダー・ソサエティの実写描写が本格的に始まるということでは?キャシーや3人の少女、そしてエゼキエルは、今後のスパイダーマン映画シリーズに密接に関わっていくのではないだろうか?
彼女たちがSSUを変える? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti 2月23日の日本公開に向けて、みんなで考察しよう以上、あれこれと考察してみたが、これは本当に筆者個人の“いち考察”である。誓って言うが、筆者は本作をまだ試写などでも見ていないし、今公開されている予告編以上の映像を見ていない。
よって、本記事で述べてきたことは、マーベル作品やスパイダーマンのファンが特に多いTHE RIVERの読者のみんなで、『マダム・ウェブ』についてあれこれ考えながら公開に向けて盛り上がろう、というだけの目的の記事だ。もう一度言うが、筆者はこの映画について公開されている予告編以上の情報を与えられていない。
だから、本記事の考察は核心的な部分で映画の内容を言い当てているかもしれないし、あるいはとんだ大ハズレかもしれない。蓋を開けてみたら、本編で扱われる以上のことを過剰に述べてしまっていたかもしれないし、逆にもっととんでもないサプライズがあるかもしれない。
読者の皆さんも、ぜひ想像力を働かせながら、マーベル初の本格ミステリー・サスペンスとされる『マダム・ウェブ』の内容を推理して欲しい。公開までの間、皆でいろいろと楽しい議論をしたいのだ。映画って、そういう時間もすごく楽しいのだから。
最後に、『マダム・ウェブ』予告編について本記事で論じていない<謎>を列挙する。ここまで読んでいただいた皆さんは、以下の点についてどう考えるだろうか?
エゼキエルとキャシーの母コンスタンスが研究仲間だったという過去は、どのように物語に関与してくるのか? キャシーの母コンスタンスの手記に「Related Native Toxic Venomous?(自然性の毒に関連?)」と書かれていたのには、何か意味があるのか?モービウスやクレイヴン・ザ・ハンターの能力も、自然界からの力に由来しているようだが? ジュリア、マティ、アーニャの少女三人は、どのように能力を獲得するのか? エゼキエルがタイムトラベルをしているとしたら、それはどうやって? ダイナーのシーン(夜)と森のシーン(昼)で全員の衣装が同じなのはなぜか?すべて同じ日に起こる出来事なのか? 3人の少女は冒頭のダイナーでは仲睦まじげだが、地下鉄のシーンでは別々の席に位置しているのは何故か? 地下鉄のシーンで、お馴染みのデイリー・ビューグル新聞が登場しないのはなぜか? 2:32でエゼキエルがグリーンゴブリンのカボチャ爆弾のようなものを持っているが、一体何か?2024年2月23日の日本公開を迎えたら、一緒に劇場で答え合わせをしよう。もしも本記事の内容の一部が当たっていたら、また話題にしてくれれば嬉しいし、全部大ハズレだったら、大いに笑ってほしい。
この糸《ウェブ》が、全てを繋ぐ。マーベル初の本格ミステリー・サスペンス『マダム・ウェブ』は、2024年2月23日(祝・金)全国の映画館で公開。
