――日本のロックバンドはギター系のバンドが多い中、BEAT CRUSADERSはメンバーにキーボードがいるので、サウンド面ですごくプラスになることも多いと思いますが、結成以前から、キーボードの音が欲しかったのですか?

ヒダカ:最初はもっと、DEVOみたいにしたかったんですよ。

――全然違うじゃないですか(笑)。

ヒダカ:全然着地点が変わっちゃったんですけど、最初の発想はその辺の、DEVOとか、YMOのもうちょっとロック、パンク寄りみたいな感じですよね。それがやっていく内にどんどん。やっぱり、DEVOやYMOのまんまはやっても本物を越えられないから、試行錯誤している内にこうなった感じですよね。だからSNUFFとかNOFXにたまにトランペットが入るみたいな、あれが鍵盤になった感じですよね。鍵盤だったらもうちょっと自由度が上がるんじゃないかな、みたいな。

――今回、初回生産限定盤には4曲収録されていますが、ギター1本ではないサウンドが、バラエティーに富んでいると思いました。

ヒダカ:俺達的には21世紀版“Wall of Sound”のつもりなんですけどね。Phil Spectorバリの音の壁を塗り込んで行こう!みたいな。そういう意味では1個でも楽器は多い方がいいんですよ。

――通常のリリースの他にも、他のアーティストとのスプリット盤をリリースされていますよね。インディーズでは別に珍しいことではないですが、メジャーでスプリットってあまり聞かないですよね。

クボタ:コラボレーションとは言うけどね(笑)。

――多いですね、コラボ、コラボって。とりあえず、リスペクトみたいな。

クボタ:フィーチャリングとかも多いですよね。

ヒダカ:マッシュアップって言ったりね。色々言い方はあると思うんですけど、スプリットでいいんですよ、俺達は。去年、メジャーデビューアルバム「P.O.A. 〜POP ON ARRIVAL〜」が、オリコン3位に入ったんですけど、それが俺達的にも戸惑いだったんですよね。そんなにウケると思っていなかったから(笑)。「まぁ、50位ぐらいに入れば、ものすごいことだねー」みたいに言ってたぐらいなんで。

――ライブにお客さんがたくさんが入ることと、CDが売れることとはまたちょっと違いますが。ROCK IN JAPANとかのフェスで、2万人ものお客さんからあれだけの反応が返ってくるのって、なかなか出来るバンドは少ないと思いますよ。

ヒダカ:俺達もそうなるとは、あまり予想してなかったですからね。局地的に、フェスでも端っこの小っちゃい方のステージで、好き者達が「ワァー!」という感じを想像してたので(笑)。あわよくばフェスに出られたとしてもね。

――でも、もう何年も。

ヒダカ:3年目ですよね。段々ステージがデカくなってくし。

クボタ:ヒダカ以外のメンバーなんて、それまで1万人とかの前でやったこともないし、大体フェスにも出たこともないのに、入ってすぐの年にROCK IN JAPANとかって、「なんだこりゃ?」って(笑)。自分達が1番慣れていない。

――お面の下では、実は緊張されていたりするんですか?

ヒダカ:いやもう、バリバリ緊張してますよ(笑)。

――本当ですか?

ヒダカ:えぇ。ただ、人前でやるのは気持ちいいですから。そこが緊張感に勝れば、とりあえず大丈夫。オ○ンコールはやっぱり気を遣いつつも、遠慮なく言わせてもらう(笑)。

――本当に気を遣っているんですか?

ヒダカ:いや、あまり遣ってないか(笑)、確かにね。

クボタ:最近は、お客さんの方が気を遣ってないですからね(笑)。

――アレを待っている感じがしますね。

ヒダカ:ROCK IN JAPANでグループ魂が一緒でしたけど、阿部サダヲ君が1番待っていましたからね(笑)。オ○ンコールでものすごく暴れすぎて、履いていたサンダルがなくなったから、俺達の物販で売っていたサンダルを「ちょうだい」って言ってきましたから! あれは面白かったです(笑)。