ハイテク製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)。世界最大の生産国は中国だが、希少であるはずのレアアースの取引価格が安すぎるとの見方があるようだ。中国メディアはこのほど、レアアースの価格について紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 ハイテク製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)。世界最大の生産国は中国だが、希少であるはずのレアアースの取引価格が安すぎるとの見方があるようだ。中国メディアの快資訊はこのほど、レアアースの価格について紹介する記事を掲載した。

 記事は、中国の工業・情報化部の部長が記者会見で、「レアアースは希少でありながら高価格で売られることはなく、逆に『土』のような低価格で売られている」と述べたことを紹介。これは各企業が輸出を拡大するために低価格競争を行った結果との見方を示したという。

 続けて記事は、中国海関総署の発表によると、2020年のレアアース輸出量は3万5447.5トンとなり、前年比23.5%減少したと紹介。輸出総額は23億8000万元(約394億円)で、前年の30億3000万元(約501億円)と比べると21.3%減少したという。

 輸出量の減少幅と比べると輸出額の減少幅はやや小さいため、記事は「レアアースの単価はやや上昇した」と分析。とはいえ、2020年のレアアースの単価は1トン当たり6万7140元(約111万円)であり、1キロ当たりに換算すると67.14元(約1110円)だと計算。この価格は、中国国内における「豚肉の市場価格」とそれほど変わりがないと指摘している。

 それで記事は、「重要な戦略物資であるレアアースなのに、キロ当たりの価格はこんなに安い。もっと値上げして然るべきだ」と結んだ。実際、最近では需要の増加に伴いレアアースは値上がりの傾向にあるとの報道もある。記事が望むように、しばらくは価格上昇が続くかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)