基調演説する金氏=2日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は2日、報道関係者でつくる団体「寛勲クラブ」主催の討論会で基調演説し、「南北関係の独自的な役割を見つけ、拡張することが極めて重要だ」として、「(南北経済協力の)金剛山観光以外にも、まだ残っている南北協力のスペースを積極的に発掘し、広げていく」と強調した。その上で、「北が呼応すれば、すぐ実践可能で南北双方に役立つ協力分野が多くある」との認識を示した。

 また、「朝米(米朝)関係の後戻りできない転換のためにも、南北関係にできる役割が明確にある」と改めて強調した。

 金氏が言及した南北協力のスペースとは、国連安全保障理事会の制裁の影響を受ける大規模な経済協力ではなく、南北が2005年に合意した「キョレマル(民族語)大辞典」の共同編さん事業や北朝鮮・開城にある高麗時代の王宮遺跡「満月台」の共同発掘事業、国際スポーツ大会への共同参加など、社会文化交流事業や人道支援事業を意味するとみられる。

 北朝鮮の非核化を巡る米朝実務協議に関しては、「双方の立場が平行線をたどっている中、(先行きが)見通しにくい状況」と前置きした上で「交渉の進展に向けた意思(があるの)は双方とも確実」と述べ、柔軟な態度で対話を再開するよう促した。

 対北朝鮮で弱腰との声が上がっていることに対しては、「北が何かをしてからわれわれも何かをするべきだという厳格な相互主義を主張する声もある」としながらも「こうしたアプローチは現状を維持するか悪化させることはあっても、より良い方向に変化させることはできない」と反論。「広い視野で今の状況だけではなく、歴史の延長線上で南北関係をみれば答えがある」とし、「前進と後退を繰り返しながら、一歩ずつ発展に向かった経験を思い起こす必要がある」と主張した。