井上尚弥(左)とゾラニ・テテ【写真:荒川祐史、Getty images】

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テテの母国メディアが報道、「イノウエはベルトを2本しか持っていない」

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム決勝はWBA&IBF王者・井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちを収め、WBSS制覇。バンタム級No.1を証明した。今大会の準決勝ドネア戦直前に右肩の故障で大会を棄権していたWBO世界王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)は井上の優勝を祝福したが、一方で「ベルト2本だけでは異論の余地なしの王者とは呼べない」と挑発している。南アフリカ地元紙「sowetan live」が報じている。

 モハメド・アリ杯を掲げた井上に、世界戦史上最速の11秒KOという記録を誇るテテが先制口撃を仕掛けた。

「まずはイノウエの勝利におめでとうと言いたい」と祝福したうえで、「次に、イノウエは彼自身を異論の余地なしのバンタム級のチャンピオンとは呼ぶことはできない。ベルトを2本しか持っていないのに」

 記事によると、テテは祝福を送った直後に、WBAスーパーとIBFの2団体を統一した井上を果敢に挑発した。

 さらにテテの母国紙は「異論なきチャンピオンは4つのタイトル全てを保持していなければいけない。WBA、WBC、IBF、そして、WBOのベルトだ。現代で最後に偉業を達成したのはオレクサンドル・ウシクだ」と報じている。昨年のWBSSシーズン1クルーザー級大会で優勝したウシク(ウクライナ)のように、WBSSを優勝しても、4団体統一しなければ、本物のチャンプとは呼べないと主張している。

団体統一戦に意欲「オレと相まみえる、ちょうどいい頃合いだ」

 テテは30日にWBO暫定王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)との統一戦に挑むが、早くもモンスターとの団体統一戦に思いをはせている様子だ。

「オレとイノウエが相まみえる、ちょうどいい頃合いだ。バンタム級の究極のキングを決するために」

 テテ陣営の英国人プロモーター、フランク・ウォーレン氏も「イノウエは我々に弱点を晒した」と不敵に宣言していた。

 WBSSでの対戦は自身のアクシデントにより実現しなかったが、WBOのベルトを巻くテテは陣営も含め統一戦実現に向けてモンスターへの挑発を繰り返している。(THE ANSWER編集部)