オールブラックス相手に一歩も引かない戦いを見せたナミビア【写真:石倉愛子】

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ナミビアのデイゼル主将が日本から勇気を得ていたと告白

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会B組で3連敗の世界ランク同23位ナミビア。6日のオールブラックス戦では9-71で完敗を喫したが、前半30分まで世界最強軍団相手に一歩も引かぬ善戦で、詰めかけた東京スタジアムの観衆の心を鷲掴みにした。小国の魂を揺さぶる奮闘について、ヨハン・デイゼル主将は「日本が示してくれた」と語り、ホスト国の躍進に鼓舞されていたことを明かしている。大会公式サイトが伝えている。

 農家、歯科医、銀行員、学生という面々で構成されているナミビア代表だが、最強軍団相手に力を示した。

 前半2分にSHスティーブンスがPGを決めて先制に成功。さらに26分、30分にもスティーブンスがPGを成功させ、9-10とわずか一点差に迫った。オールブラックスのジャージーが目立ったスタンドも小国の奮闘ぶりに心を動かされたようで、会場全体から「ナミビアコール」も沸き起こるほどだった。

「自分たちは主導権を握り、相手にボールを渡さない様にする必要があった。それが狙いの1つで、前半はうまくいった」と振り返ったデイゼル主将。王者相手に全くひるまなかった小国ナミビア。勇敢な戦いの裏には、心に刻まれたお手本があったという。

奇跡起こす日本の姿に感銘「厳しい練習をして、ぶつけることでね」

「日本が自分たちもティア1諸国を倒せると示してくれたんだ。厳しい練習をして、彼らにぶつけることでね。オールブラックスと戦えたことはすごく大きなチャンスだし、彼らから学ぶことができる。次の試合に向けて生かすことができれば、我々は成長し、大きな自信を手に入れることができる」

 デイゼル主将はこう語ったという。ナミビアと同じティア2の日本は前回イングランド大会で南アフリカを倒し、“ブライトンの奇跡”と呼ばれる伝説を打ち立てた。そして、今回は大会前に世界ランク1位だった優勝候補アイルランドを破り、「ジャイアントキラー」の異名を手にしていた。

 強豪国に堂々と挑み、大番狂わせを演じるホスト国の戦いぶりは、小国ナミビアの選手も勇気づけていた様子だ。(THE ANSWER編集部)