両チームの予想スタメン。日本は先日のパラグアイ戦から大きくメンバーは変えなさそうだ。

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 9月10日、日本代表はカタール・ワールドカップのアジア2次予選の初戦、ミャンマー戦をヤンゴンのトゥウンナ・スタジアムで迎える。
 
 ワールドカップ2大会連続出場を目指す日本にとっては大事な初戦だ。前回の2次予選の初戦はホームでシンガポールと引き分け、波乱の船出となっただけに、同じ轍は踏みたくない。ただFIFAランキングでは開きがある(日本は33位、ミャンマーは135位)が、日本はなかなか苦戦を強いられそうな雰囲気も出てきた。
 
 大迫勇也が「思ってた以上の環境。すごいとしか言いようがなく、まさかな部分もあるように感じる。ただ、そこはしっかり認めて、自分たちのなかで整理して臨みたい」と語るように、現地はちょうど、雨期にあたり、高温多湿な気候は日本選手を苦しめそうで、荒れたピッチでのゲームになる確率も高い。
 
「想定外のことが起こると予想をしなくてはいけない。臨機応変に対応したい」と森保一監督も語っており、柔軟な試合運びが求められそうだ。
 一方、ミャンマーはすでに2次予選の初戦、モンゴル戦を戦っており、0-1の敗戦。現地メディア「Myanmar Special」のイェ・ナイン・ウィン記者に話を訊くと、「モンゴル戦に敗れ、ファンは意気消沈している。日本戦は苦しい戦いになるはずだ」と語る。
 
 ただ、セルビア人のミオドラグ・ラドゥロビッチ監督は前日会見で「(モンゴル戦には敗れたが)内容はポジティブだったと感じている。誰もショックは受けていない。明日は勝利を目指したい」とコメント。

 このラドゥロビッチ監督は今年1月のアジアカップではレバノン代表を率い(1勝2敗)、アジアにも精通。日本の情報も以前から持っていたようで、なにか奇策を講じてくることもあるかもしれない。
 
 モンゴル戦の映像をチェックしたという森保監督はミャンマーに関して「感じたのは攻撃力のあるチームだということ。ボールを握りながら崩せますし、カウンター、素早い攻撃を仕掛けることもできる」と語り、注意を促した。

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 日本は2-0で勝利したパラグアイ戦(9月5日@茨城県立カシマサッカースタジアム)から大きくメンバーを変えずに“王道の布陣”で臨む見込みで、試合を有利に進めるためには、早い時間に先制したいところ。

 もっとも前がかりになりすぎてバランスを崩すのも危険で、冨安健洋は「理想と現実というところで、現実的なサッカーをすることも必要だと思いますし、強いチームは現実的なサッカーをして勝つチームだと感じます。なによりも結果にこだわるべきですし、チームとしても意思統一が必要なのかなと思います」と口にする。
 
 ピッチコンディションが悪いとなると手数をかけた攻撃よりもシンプルな展開が有効になるはずで、ロングボールを大迫に入れる形や、時間をかけずにクロスを入れて状況を打開する攻撃も取り入れる必要があるだろう。そこは森保監督がどう指示を送るか。指揮官の手腕も重要になる。

 また、ミャンマーで気を付けたいのは10番のチョー・コーコー、9番のアウン・トゥ、8番のチー・リンら小回りが利き、スピードのある前線の選手。特にカウンター時には彼らの動きに気を配りたい。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)