浦和戦で2アシストをマークした相馬。試合後には笑顔を見せた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ24節]名古屋4-1浦和/8月26日/豊田ス
 
 4-1で名古屋が浦和に逆転勝ちした一戦で、最も輝いたのはハットトリックを記録したジョーで異論はないだろう。だが68分に登場した若きアタッカーの活躍も決して見逃せなかった。それが早稲田大4年生、特別指定選手(来季の入団も内定)として名古屋でプレーをしている相馬勇紀だ。
 
「大舞台には強いほうなんです。あんまり緊張しないタイプで」
 
 まだあどけなさが残る小兵MFが堂々のデビューを果たしたのは21節の鹿島戦(8月11日)だった。舞台は新記録となる4万3579人が詰めかけた豊田スタジアム。相馬は77分にJリーグのピッチに立った。
 
 スコアは2-2。ひりつくような攻防が展開されている。それでも「出たら結果を残したかった。活躍したらヒーローになれるとワクワクしていた」という相馬は、チームが勝ち越して迎えた後半アディショナルタイム、左サイドでボールを受けた。
 
 すると「振り返れば時間稼ぎという選択肢もありましたよね。でもあの時はサイドを破ることしか考えなかったんです。ここで勝負しないのは違うと思ったので」と対面した鹿島のCBチョン・スンヒョンをスピードでかわすと、左足でマイナス方向へグラウンダーのクロス。前田直輝のダメ押しとなる4点目をアシストした。
 
 続く横浜戦には69分から登場すると、今度は右サイドを自慢のスピードで突破。右足でクロスを送り、ジョーの決勝ゴールを導いた。
 
 そして、冒頭の浦和戦では68分に交代出場すると、その2分後には左サイドを縦にドリブルして左足のクロスからジョーのゴールをお膳立て。79分には今度は左から中央へカットインして、右足のクロスで再びジョーのゴールをアシスト。4試合で4アシストという望外の結果を残している。
 
【名古屋 4-1 浦和 PHOTO】ジョー、今季2度目のハットトリックで名古屋が6連勝!
 目覚ましい活躍を見せる相馬について、浦和戦後に風間八宏監督に話を訊いた。すると高い評価を口にした。
 
「ここ(名古屋)でトレーニングを始めてからいろんなことを覚えてきている。それによって彼の特長であるスピードが活きるようになった。スピードとはなにかというとただ相手と競争をするのではなくて、相手の逆を取る動きもそう。またボールをしっかり止める良さも出てきている。
 
 それに彼はシュートやラストパスが好きな選手で、そういうところがないと今日(浦和戦)のようなチャンスは作れない。そのなかでどんどん良くなっている。今日は(投入する前に)『とにかくチャンスになれよ』と伝えたけど、彼は守備でもどこに戻るかよく分かっているし、1対1も強い。だからキャリアはそんなにないが、接戦のなかでも安心して出せる選手になっている」
 
 この指揮官の声を相馬に伝えると、照れ臭そうに、しかし「今日は2アシストと結果は残せましたが、満足はしていないです。まだ得点がないですし、守備でも足りないところがあるので、そこは高めたいです」と改めて表情を引き締めた。
 
 武器はスピードとクロス精度で、165センチ・66キロと小柄ながら筋肉質で、簡単には当たり負けしない強さも持ち味だという。さらに浦和戦の終盤には「球速があれば入っていたと思います」と、GK西川周作を脅かすFKも披露し、飛び道具も備えていることを示した。
 
「相手の考えの逆、騙すプレーは好きなんです」と、笑うニュースターは「止めて蹴る部分やFKは直接指導してもらい、勉強しています」と風間監督の下で急成長している。豊富なタレントを揃える名古屋の前線でも、今後、さらに存在価値を高めそうだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)