週末に行われるハノーファー戦を前にして、ニコ・コヴァチ監督は1つの決断を迫られている。中盤ではオマル・マスカレルがアキレス腱の手術から回復を目指しているところであり、今夏に加入したジェルソン・フェルナンデスは筋損傷、スロボダン・メドイェノヴィッチはふくらはぎに問題を抱え、さらにマーク・シュテンデラは風邪を患っているのだ。

さらにジョナサン・デ・グズマンも、大腿筋の負傷により出場が危ぶまれている状況に。同じく長谷部誠についても、最近は膝の問題に悩まされまだ万全な状態にあるとは言い切れないのだが、しかしながらおそらくは日本代表主将は週末の試合でも出場を果たす事になるだろう。

ニコ・コヴァチ監督は「誠についてはオーケーだと見ている。彼と話し合いをすることにはなるし、出場できるようにあらゆる手を尽くすがね」とコメント。長谷部誠の重要性は、パフォーマンンスや人間性のみならず、そのフレキシブルさからも増しているところだ。「彼がいれば、交代を行うことなく、スムーズにシステム変更を行うことができるんだよ」

つまりは3バックの中央でプレーしている長谷部を、前にスライドすることによって、フランクフルトは4バックに変更して中盤に厚みを持たせる事が可能ということなのだが、だからこそ今回ボランチ陣に離脱が続いた今、コヴァチ監督はハノーファーを相手に長谷部をボランチにもどすのか、その判断に頭をなやませているはずなのだ。

特にハノーファーではフュルクルークとハルニクという2枚のFWを前線に並べてくるチームであり、フランクフルトとしてはむしろ最終ラインに厚みをもたせた3バック(守備時には5バック)という布陣でのぞみたいところだろう。

確かにCBのオプションとしては、ルスやサルセドが控えている。だが両選手ともに負傷により長期離脱をしていたこともあり、アブラーム以外の2選手を実戦経験不足というリスクを持たせて起用するかは1つのポイントだ。

またボランチのオプションとしては、本来は攻撃的なタイプであるミヤト・ガチノヴィッチやケヴィン=プリンス・ボアテングらが控えている状況であり、アイメン・バルコクやマックス・ベズーシュコウといったサプライズもあるかもしれない。