タイブレーク突入!都立足立西の主将・池田のサヨナラ打で熱戦を制する!

小川男樹(都立保谷)

 4月1日から始まった東京都大会。府中市民球場の第1試合は、打ち合いとなった。 1回裏、都立保谷が二死三塁から4番大熊慶也(3年)の適時二塁打で1点を先制。対する都立足立西も、二死から3番でエースの秦山 優唯斗(3年)が安打で出塁し、4番石見雄大(3年)の左越え適時三塁打で勝ち越しに成功する。しかし3回表、二死二塁から4番大熊の適時打で勝ち越しに成功するが、4回裏に坂口慧斗(3年)の適時打で2対2の同点に追いつき、さらに5回裏には二死二塁から秦山の適時打で3対2で勝ち越しに成功する。さらに岩見が2ラン本塁打を放ち、5対2とする。

 都立足立西のエース・秦山は桐朋、専修大附と2つの私学を破った原動力となった好投手である。ただ一次予選で2試合投げ抜いた疲労もあり、調子は上がっていなかった。左腕のグラブを高く掲げ、真上から投げ込むオーバーハンド。球速は、125キロ〜128キロと突出して速いわけではないが、カーブ、スライダー、チェンジアップを駆使して投げる投手。

 投球を見ていると、緩急をつけるのは上手く、高めのつり球を使ったり、本来の調子ではないようだが、打者を見ながら投球を組み立てている様子は伝わった。要所で粘れるところはさすがで、体ができれば、もっと速くなるだろうし、さらに注目される可能性は秘めている。

だが都立保谷も7回表に2点を追い上げ、さらに9回表、都立保谷は2番鈴木友親(2年)が三塁打を放ち、一死三塁のチャンス。ここで3番小川男樹(3年)が中前適時打を放ち、5対5の同点に追いつく。そして9回裏、二死満塁で頼みの4番・石見に回ったが、左飛に終わり、試合は延長戦へ突入する。

サヨナラ打を放った池田亮太(都立足立西)

お互い決定打が出ないまま、試合は延長12回へ。12回裏、点が入らなければタイブレーク突入の都立足立西だったが、あと1本が出ず、試合はタイブレークに。無死一、二塁からスタートし、先頭打者が犠打を打ち上げ、一死一、二塁となったが、3番小川が右越え適時二塁打を放ち、1点を勝ち越し。さらに二死二、三塁から6番稲村龍星(3年)の適時打で7対5と点差を広げる。そして13回裏、無死一、二塁から秦山が犠打。これを投手が暴投。その間に二塁走者が生還し、6対7。さらに無死一、三塁で4番石見が敵失を誘う内野ゴロを放ち、同点に追いつく。その後、二死満塁のチャンスを作るが、後続が打てず、延長14回へ。

 14回表、都立保谷が無得点に終わり、延長14回裏、都立足立西が無死満塁のチャンスを作り、1番池田 亮太の左越え適時二塁打でサヨナラとなった。試合を振り返り、斎藤司監督は、「苦しい試合でしたね。都立保谷さんの打撃が素晴らしいものがありました」と都立保谷の打撃を称えた。サヨナラ打の山田は、「一次予選では自分だけが全く打てていなくて、本当に悔しい思いをしていたので、何としても打ってやろうと思いました」中学の指導者も見ている中での安打。また中学時代からサヨナラ打は打っていたということもあり、自信を持って臨んだ入った打席だった。

 接戦を制した都立足立西は東亜学園と対戦。主将の池田は「私学2つ勝って、今日の勝利で自信は付いたと思いますし、力でいったらやられるだけなので、頭を使って臨んでいきたいと思います」 死闘を制した都立足立西が我々の想像を超える戦いぶりを見せてくれるか。注目をしていきたい。

(取材・写真=河嶋 宗一)

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