【ファンキー通信】「美少女ゲーム」はゲームじゃない!?

写真拡大

 思わず「萌え〜」となってしまうような、カワイイキャラが登場する「美少女ゲーム」。『ときめきメモリアル』や『サクラ大戦』などを生み出してきたこの人気ジャンルに対して、最近「ゲーム」であるにも関わらず、「ゲーム性」を失っているのではないかという指摘がある。

 こう指摘するのは、哲学者であり評論家でもある東浩紀氏によれば、「美少女ゲームのインタフェースは、『萌え絵の静止画』『背景CG』『テキスト』の3つだけで、ここ10年でほとんど進化していない」(IT総合情報ポータルサイト『ITmedia』に掲載された記事)とある。PC技術は日々進化しているというのに、なぜ美少女ゲームは停滞しているのか・・・。同氏いわく、「キャラクターを動かしたり、グラフィックスを緻密に描きこんだり、プレイヤーの自由度を高めたりすると、かえってプレイヤーからの反発を買うから」ということらしい。

 一般的なゲームユーザーからしてみれば、キャラクターは動いてくれたほうがリアルだし、自由度が高ければ高いほど操作性も広がる。なのに、なぜ美少女ゲームのプレイヤーたちはそれを拒むのだろう? 美少女ゲームを中心にレビューをつづっているWebサイト「Ryotaroh Factory」の運営者であるRyotarohさんにお話を伺ってみた。

 「美少女ゲームのプレイヤーは、『リアルな感覚に近づく世界』よりも『より妄想できる世界』を求めているんです。それなのに全てをメーカー側が作ってしまうと、プレイヤー側の妄想の余地がなくなってしまう。これが美少女ゲームのプレイヤーが技術の進化を嫌がる理由なのではないでしょうか」(Ryotarohさん)

 他にプレイヤーが美少女ゲームに求めているものとしては、「ホームページで自分の属性を表現できること」「同人誌や小説で自分の世界を表現できること(二次創作)」などが挙げられるらしい。ゲーム本編よりも、それを取り巻くコミュニティを求めているのだとか。

 「今の美少女ゲーム業界は、『いつかどこかで』見たキャラが『いつかどこかで』見た場所で『いつかどこかで』見た恋愛をしている、という風潮を好んでいます。昨今の韓流ブームとまったく一緒ですよね」(同)

 ムムゥ・・・、確かに韓流ドラマもある意味「古臭い」タッチで描かれている。美少女ゲームのプレイヤーも、韓流ドラマに夢中になるマダムも、求めているものは同じなのかもしれない。(安田明洋/verb)

■関連リンク
美少女ゲームは「ゲーム」なのか - 文中に取り上げた『ITmedia』の記事
Ryotaroh Factory - 文中でコメントを寄せたRyotarohさんのWebサイト

■関連ポッドキャスト
萌え通信ポッドキャスト - 萌えテイスト
萌え通信ポッドキャスト - アナウンサーテイスト
ポッドキャストプレイヤー選択
livedoor 萌え通信