東アジア選手権(韓国開催)を戦っている日本代表は7日、大会最終戦を最強のライバルである地元・韓国と戦った。日本は腰痛の田中達に代わって玉田、GKに土肥が入った以外、前回の中国戦と同じ若手主体のメンバー。韓国もまた平均年齢が20代前半と、ともにフレッシュな顔ぶれで臨んだ。

 試合は序盤からホーム韓国が優勢に進めた。右サイドのイ・チョンスが起点となり、前線では今大会不調と評されてきたイ・ドングクが積極的にシュートを放っていった。前半のシュート数は韓国が9本、かたや日本は1本にとどまる。致命的なシーンまでにはいたらなかったものの、日本にとっては苦しい展開が続いた。

 0−0で迎えた後半も、ペースは韓国が握った。押し込まれた日本は、本山を起点にカウンターを繰り出していったが、逆に韓国は日本が攻めに出た後方のスペースを突いていく。そんな後半15分にはイ・ドングクと競り合った坪井が負傷。急きょDF中澤を投入せざるをえなかった日本だったが、結果的にはこれがアウェーチームにとって吉と出た。

 ともに3人の交代ワクを使い切っていた後半40分、右サイドからのCK。キッカーの小笠原は鋭くカーブのきいたボールを、ゴール前へ。ここに飛び込んだDF中澤が、得意のヘッドではなく、左足でぴたりとあわせた。韓国DF陣はニアに走り込んだ巻につられ、中澤はノーマーク。日本は、得意のセットプレーから貴重な1点をもぎとり、大きく勝利に前進した。

 その後、韓国は思い切った攻めに出てくるが、日本も落ち着いた守備で対抗。今野や巻が豊富な運動量で守備にも貢献する一方、途中出場した小笠原のキープやDF陣の大きなクリアで、巧みに時間を消費。ロスタイム3分も乗り切り、1点のリードを守りきった。

 これで日本は今大会初勝利。最終的には1勝1分1敗の勝点4とし、2大会連続の2位に滑り込んだ。初戦の北朝鮮戦を落として窮地に陥った日本だが、タイトルは逃したものの、ライバルを下したことで溜飲を下げたかっこうだ。また、韓国戦は故障で出場できなかったFW田中達、3戦連続出場を果たした長身FW巻、あるいはMF今野、阿部ら、若手が個性を発揮したのは貴重な収穫。また韓国戦で好セーブを披露したGK土肥も、川口&楢崎の牙城を崩すべく、正GK争いに名乗りをあげたといえそうだ。

 なお、優勝は1勝2分けで終えた中国。日本と同勝点で並んだ北朝鮮は得失点差で3位。日本に敗れた韓国は2分1敗で最下位。地元開催ながら不振を極めた韓国は、ボンフレール監督の解任論など、代表チームへの不満が一気に爆発しそうな気配だ。

 日本は今後、まず17日にW杯最終予選のラストゲームをホームでイランと戦う。すでに消化ゲームではあるものの、来年のW杯を見据えれば貴重なテストマッチ。国内組主体となるメンバーたちには限られたアピールの場でもあり、その点でも注目される。