大山鳴動してネズミ一匹―。米トランプ政権が世界の反発を顧みずに2018年3月から鉄鋼製品に課した25%の関税の影響は、今のところほとんど見られない。だがこの間に米国が進める保護主義的政策の標的は、日本製を含む自動車や、世界の覇権を狙う中国の先端技術にも広がろうとしている。こうした政策が世界貿易に地殻変動をもたらせば、国内鉄鋼業界への影響は避けられない。大山の火口から灼熱(しゃくねつ)のマグマが顔