ユヴェントスのジュゼッペ・マロッタ代表取締役が、『スカイ・スポーツ』で、ローマのズネデク・ゼーマン監督の先日の発言について次のように話した。

「サッカー界の人間として、またユヴェントスの代表取締役として、ゼーマン監督の発言は不適切だったと考える。(アントニオ・)コンテ監督の名前こそ出していないが、彼のことを指していたのは明らかだ。しゃれなのか、狙ったのか。彼自身が書類は読んでいないと言ったはずだが」

「コンテはスポーツ上の不正ではなく、八百長告発義務違反で訴えられている。一人の選手が主張しているだけで訴えられることも可能だということは、我々も分かっているはずだ。ほかの24名が反対のことを言っていても、ね。残念ながら、スポーツ法は老朽化しており、改正すべきなんだよ」

「ルールでは、指揮官は練習を指揮することができ、試合でベンチに入ることができないとなっている。ゼーマンの同僚に対する批判は深刻だよ。監督協会もそう認めるように願っている。(ゼーマン監督の発言は)緊張感を生み出すだけだ」

また、マロッタ代表取締役は数年前のゼーマン監督をめぐるエピソードを持ち出している。

「2005年5月のレッチェ対パルマ戦、3−3に終わった試合を覚えている。ゼーマンは終了10分前にベンチを離れた。誰も、なぜか分からなかったね。おそらく彼は、自分に関係がないことについて話すのではなく、そのときのことを説明すべきだろう」

マロッタ代表取締役が指摘しているレッチェ対パルマ戦は、残留を争う決定的な試合だった。試合が3−3に終わり、見ていた多くの人がおかしいと感じたが、ゼーマン監督は最初から最後までチームが正しい姿勢で戦ったと主張。後に、選手たちの姿勢が受け身だったことに気づいたと話した。だが、試合中にベンチを離れた同監督は、試合後に「見るべきものは何もなかった」とコメントしていた。

ローマのフランコ・バルディーニGM(ゼネラルマネジャー)は、クラブの発表の中で、ゼーマン監督の発言について、「個人的な意見だが、その点では正当と考えるべきもの」としつつ、「不要な騒動につながった」と述べている。その上で、「ルールや判決と、単なる憶測との大きな違いが分かったら、全員が良いリーグ戦を過ごせるように願おう」と続けた。つまり、コンテ監督に関しては「判決」だが、レッチェ対パルマ戦のことは「憶測」ということだ。