内田理央1st写真集「oshirio」小池 伸一郎 (写真)/東京ニュース通信社
「ヒルナンデス!」金曜レギュラー&3色ショッピング最多参加者の内田理央だが、3/30の放送で卒業が発表。グラビアとは違う「ちょっとダサいうっちー」が見られなくなると思うとさみしい。

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渋谷H&M店内。ピンクのショートパンツを手に取っている現役女子大生グラビアアイドル・内田理央(うっちー)。悩んでいる内田に近付いてくるのはモデルの佐藤かよ(かよぽりす)だ。
「うっちー、カワイイ! すごい似合ってる!」
「ほんとですかー!?」
「けど、うっちーには茶色の方が大人っぽくて清潔感が出ると思う!」
「ピンクじゃない方が……いいってことですかねー?」
「そう思うなー、かよは」
アドバイスをしてあげるなんて、かよぽりすはなんて良い子なんだろう……そんな風に思ったあなた! もう罠にはまってますよ!

実はこれ、日本テレビの昼帯番組「ヒルナンデス!」金曜日の定番コーナー「3色ショッピング 買うんデス!」での一幕。
3色ショッピングとは、予算・時間・色という制限のある「お買い物バトル」。4人の女性ゲストがルールにのっとってお買い物をするコーナーだ。たまに雑貨のお買い物でバトルすることもあるが、基本的には全身コーディネイトの勝負をする。

予算と時間が制限された中、3色を4人で取り合い、全3回でコーデを揃える3色ショッピング。2/17の回で詳しく説明しよう。
舞台はユニクロ新宿西口店。挑戦者は内田理央・ユンソナ・森口博子・佐藤かよの4人だ。
選ばれた3色は緑と黒とベージュ。上限金額は5000円。4人は広いユニクロの店内に散っていく。内田は悩んだ結果、シャーベットグリーンのTシャツとカーキのパーカーを選んだ。20分のお買い物タイムが終了し、内田のもとに南海キャンディーズの山ちゃんがやってくる。
「あなたの選んだのは、何色の何?」
「緑のー、Tシャツにパーカー!」
自信満々に告げる内田!
ここで内田の前に誰も緑色の商品を買っていなければ「ショッピング成功」!……だが実は内田、クジの順番は2番。そして1番手のユンソナが選んでいたのは緑のカラーパンツ。緑はすでに買われてしまっていたのだ。
「うっちー……ショッピング、失敗です!」宣告する山ちゃん。「え? あれ?」内田の笑顔が引きつる。
お買い物やり直し。再び内田は店内を走りだす。もう一度山ちゃんがやってくるまでに違う色のアイテムを探さなければいけない! 次に狙うのは黒! だがしかし、3番手の森口が黒のチュニックを、4番手の佐藤がベージュのロンTとジーンズを選んでショッピング成功していたため、結局内田は何も買えず、3人分のお支払いをするハメに……。

このゲームは、クジの順番と色の選択によって、誰が何を購入できるか大きく変わってしまう。
ここで生まれてくるのが「駆け引き」だ。3色ショッピングでは「自分以外の他の3人はどんな色を選ぶのか」と考えることが超重要。色が発表されたときの反応やゲット済みの商品から、次に狙うであろう商品を予想する。予想だけじゃなく、対戦相手の買い物をこっそり覗いて偵察したり、あからさまに牽制したりすることも。

これを踏まえた上で、冒頭の会話を思い出してほしい。
「ピンクを手に取るうっちーに、熱心に茶色を奨めるかよぽりす」。そのときに選ばれていた色はピンク・白・茶色。佐藤かよが狙いをつけていたのはピンクのペンシルスカート。……そう、佐藤はピンクを内田理央に取られたくないから牽制していたのだ!
恐るべし佐藤かよ。しかし対する内田も、牽制だとわかっているから半笑い。真に受けたりはしていない。3色ショッピングではこんなのはよくあること。

佐藤の牽制なんてまだまだ甘い。
買い物カゴにピンクのデニムをわざと見えるように入れるユンソナや、「私は金色にするから〜」と宣言する島崎和歌子。
キャットファイトっぽい雰囲気になることだってある。3/16の放送では、ギャルママのファッションリーダー益若つばさと自称ファッションリーダー坂下千里子の2人がヒートアップ。ピンクを物色する益若、彼女の買い物の様子をこっそりうかがう坂下。皮肉の応酬が始まる。
「千里子さんピンク行かないと思う、絶対着こなし方わかんないもん」
「差し色でしょ、差し色! ピンクは差し色だよ!」
「『ピンクは差し色』って初心者ですよ〜」
……この会話のあと、坂下は影で「ますわかつばさ〜!!」と憤慨。「あの子が千里をバカにするから!」とむくれ、益若に当てつけるためだけにあえてピンクに行ったところ、ショッピング成功。「負ける気がしない」と終始ウキウキしていた。ちなみに3/30の放送では、再び益若とのバトルが勃発。しかし今度のショッピングは失敗続きで、買えたのは黒のメガネだけという結果に……。

誰よりもやりたい放題で、「猛獣」とまで称されたのが国生さゆり。ありとあらゆるあからさまな偵察(堂々と覗く!)と牽制(堂々と自分の色を主張する!)をして挑み、毎セット堅実に商品をゲットしていくのだが、買えたのは国生のイメージとは違うカジュアル系の服ばかり。
それを国生もわかっているのか、途中から「ADの下ちゃんのコーディネイトをする」と番組のコンセプトをまさかの無視。最後の全身コーデ披露でも、他の参加者が着替えて登場する中、一人だけADに着せていた。「g.u.のお洋服は若い女の子がフツーに着るのがカワイイってことを表したかった!」と微笑むものの、視聴者としては「自分に合わない服着たくなかったんじゃ……」とうがった見方をしてしまう。

その一方、服を選んでいるときは不安そうだが、山ちゃんにモノマネを振られたときは一気にキラキラしはじめるお笑い芸人勢。「私センスないし寒いから……」という理由でフリースと中綿ダウンばかりを手に取る友近や、お買い物に失敗し続け青のリゾートワンピ1枚しかゲットできなかった(春どころか完全に夏!)福田彩乃など、オモシロを狙うのかオシャレを狙うのか本気で悩んでいるように見える。

可愛くない自分を見せられない芸能人と、つまらない自分を見せられない芸能人。3色ショッピングは、挑戦者同士のバトルでありながら、1人1人が自分と戦うバトルでもあるのだ。

もちろん、他にも見所はある。
買い物中に今年のトレンドについて語ってくれるのでなんだか得をした気持ちになるし(同系色コーデ! シャーベットカラー! バイカラー! ビビッドカラー!)、雑誌を見てもイマイチよくわからない差し色や流行色も、実物を手に取りながら「この色がいいんですよー」と話してもらうとよくわかる。なにより、雑誌やマネキンのコーデとは違う、マネしやすい合わせ方を知ることができる。
それだけではない。「オシャレは我慢です!」と言い切るキラキラ女子に憧れの目を向ける一方で、服を選びながら「いいわー、すぐ寝れそう」「うわっ安っ」「どうやって着るのコレ……」と呟く声に激しく同意もさせられる。お買い物バトルの舞台がユニクロやしまむらだったりするところもいい。財布事情的に手が届かない服の話を聞くのはツラいけれど、ユニクロだったら買いに行ける。「そりゃ高い服はカワイイだろうよ!」としょぼくれる必要がないのだ。

バトルを楽しみつつ、ファッション知識をゲット、おまけに感情移入もできるエンターテイメントショッピングコーナー「3色ショッピング」。
3/28に放送一周年を迎えた「ヒルナンデス!」は、スタート直後に視聴率3.4%を記録してしまうなど低視聴率に苦しんできた。しかし2012年2月には最高視聴率&平均視聴率を更新するなど、番組全体が好調になってきている。打ちきり説も流れるほどの低迷期、まさに番組そのものを支えていた3色ショッピング。私のファッションセンスも支えてほしい……。(青柳美帆子)