陜西省西安市の興慶宮公園で開催された菊花展で20日、園内各所で訪れた人がわれ先に菊の花を奪う「略奪」が発生た。中国新聞社が報じた。

 同公園緑化部の職員によると、最初に略奪が発生したのは20日午前8時ごろ。一部の鉢植えを撤去する作業を始めたところ、見守っていた人の間から「いらない花だ」という声が上がった。とたんに人々が殺到し、花をちぎったり抜いたりしはじめた。はさみを用意していた人もいたという。

 混乱して危険な状態になり、警備員も駆けつけ整理しようとしたが、「多勢に無勢」で効果はなかった。その後、正午ごろまでに同園の南門内広場、南門外、噴水周辺、庭園にある沈香亭周辺など5カ所で略奪騒ぎが発生した。

 花を持ち帰る人は、「どうせ捨てるのだろう。もったいない」などと主張。多くの人は「乾燥して、菊茶にして飲む」と話した。職員が阻止しようとすると「もうたくさん持っていった人がいる。なんで私はだめなんだ」と猛抗議される場合もあったという。

 専門家によると、観賞用の菊は食用や菊茶にする品種とは種類が異なり、有毒成分を含む場合がある。食用などとして生産される菊よりも、残留農薬が相当に高いという。(編集担当:如月隼人)